*昨年末の北朝鮮人権問題啓発週間に開催された国際会議(北朝鮮難民救援基金・北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会・特定失踪者問題調査会・法律家の会、4団体共催)午前の部での明治大学情報コミュニケーション学部准教授・川島高峰さんの報告と提言の要旨レポートです。(約18分間)順不同でご紹介しております。聞き取りに間違いやカン違いの可能性もございます。どうぞご了承ください。(主催者側より撮影及びレポート掲載の了承済みです)
川島高峰(かわしま たかね)さん
1963年、東京生。明治大学情報コミュニケーション学部准教授・政治学博士。代表作『流言・投書の太平洋戦争』(講談社学術文庫)他。国際人権問題について『アメリカ国務省人権報告』(2002年、現代史料出版)、『イラク人権レポート』(2003年、現代史料出版)など。現在は、「北朝鮮帰還事業の政治・外交過程、及び、邦人拉致工作に対するその前史形成の検証」という主題を学術振興会・研究助成を受けこれに取り組んでいる。
テーマ:北朝鮮の人権状況の改善に何ができるか
【荒木和博さん・特定失踪者問題調査会代表】
それでは続きまして、明治大学情報コミュニケーション学部の准教授でございます川島先生の方からお話をうかがいたいと思います。川島先生のレジュメが1枚のものがお手元にあると思います。お願い致します。
【川島高峰さん・明治大学情報コミュニケーション学部准教授】
皆さま、ごきげんよう。明治大学の川島でございます。レジュメの方、今、追加がありますので配布したいと思います。簡単なメモ書き程度のものが配布されていると思うんですが。
本日、斎賀大使もお出でになりまして、実はこの12月10日にですね、北朝鮮人権週間開始まさにその日に外務省の方から新たな私が開示請求していました資料が開示されまして、全部で8件2400ページ。やはり外務省の方もこの北朝鮮人権問題啓発週間というのを非常に意識して開示されたのかなぁと。今まで私、開示請求してきたんですが、一つの日にこれだけまとまって出たのは実は初めての経験でございます。
事前に配られたものでは数分ふれるだと書いてありますが、何しろ量が多いものですから。この2400ページの内の7割が日本人妻に関する資料でございました。ただやはり個人情報保護ということもあって、個人情報に関わる部分は不開示というかたちになっておりますので、個々のことについてあまり詳しく申し上げることはできません。その中で私、一つだけ非常に印象的なことがあります。そのことをちょっとさわりにお話したいと思います。
実は1970年初頭に脱北事件があるんですね。これは日本人妻の、日本で非常に問題にされるようになるのが1975年前後、70年代中葉からだと思います。この70年代初頭の脱北事件というのは、これ日本人妻の、日本人の女性が脱北をして中国側の当局に保護をされるというそういう事件でございました。この当時は今と中国の対応が違って日本政府の方に問い合わせがありまして、外務省でその方の国籍などを調べた上で「保護する」という方針を決めるわけです。
一体この事件、その後どういうふうに展開するかというと、その脱北した方が行方不明になってしまうんですね。で、行方不明になってどのくらい時間が経過したかはちょっと書いてないんですが再びまた現れます。この時は北朝鮮当局の人に伴われて現れる。そして日本の外務省の側に対して「自分はやはり北朝鮮に戻る」ということを述べたわけですね。
そういう事件があって、当時、日本の外務省の方では「保護する」というところまで方針を決めて臨んだわけですが、脱北した当人は北朝鮮当局に伴われて、一度行方不明になった人がもう一度現われて「やはり北朝鮮に帰る」と、こういうことで日本への帰国には至らなかった、そういう事件でございます。
私はその後の帰国事業あるいは日本人妻問題をめぐる多くの問題点を象徴するような事件だなと、問題の本質はどこにあるのかと、何故帰って来られないのだろうか、そういったことが非常に凝縮された事件だなと思っています。
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