2005年11月24日

11/13 第16回大宮講演会 上海拘束事件とこれからの課題《資料より》(1)

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*11/13 第16回大宮講演会に参加しました
http://aoinomama13.seesaa.net/article/9366165.html
*講師「山田文明(やまだ ふみあき)」さんの自己紹介
http://aoinomama13.seesaa.net/article/9667106.html
*脱北者の証言《資料より》
http://aoinomama13.seesaa.net/article/9685031.html

《事前に配られた資料より》

北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会 
代表 山田文明さん(2003年10月3日)

【ゴール目前の拘束】

 上海日本人学校はT字三さ路を奥に入ったところにあった。タクシー3台に分乗した脱北者7人を含む11人が、T字三さ路で車から降り、日本人学校の入口を目指して歩き出した。入口まであと2.30メーターほどであった。

 ゆっくり歩けば、後ろにいる数名も追いついてきて、揃って入っていけると思った。「入ってから事態をどのように説明するか、上手く保護してもらえるのか、領事館や外務省がすぐに対応してくれるだろうか、何よりも中国公安よりも先に領事館が迎えに来てくれなければならない」、そんなことが頭を駆け巡っている。

 その時、目の前を二人の男が乗った1台のバイクが通り過ぎた。そのバイクには「公安」の文字があった。行き先を追って見つめていると、日本人学校に入って行くではないか。公安が待ち受けているところへ脱北者を連れて行くわけにはいかない。計画は失敗した。みんなに合図を送り、引き返し始めた。

 「今、何ができるのか?何をすべきか」今後のことを考える余裕もなければ、見通しも立たない。「とにかく、全員を上海市内の中心部に移そう」と思い、通りかかった1台のタクシーを止め、周りの何人かを乗り込ませた。

 発車させようとした時、小型トラックが行く手を阻み、数人の男が降りてきた。次々に乗用車が到着し、男たちが降りてきて私たちを取り囲んだ。

 脱北者は全員押し黙ったままであった。少し離れていた一人の女性が、ひそかにその場から離れ、交差点を渡ろうとしたが、公安はすぐに見つけて連れ戻した。

 脱北者の恐怖と絶望は、私が感じた程度のものとは比べようもなかったと思う。私や3人のメンバーが処刑されることはあり得ない。しかし、脱北者にとっては、北朝鮮に送還されて処刑されることが、想定上の可能性から現実の可能性になったのである。

 脱北者をこんな事態に引き込んだ私はどうすれば良いのか。7人の命に関わる「取り返しのつかない」深刻な結果に潰されそうな心境だった。自分の愚かさと無力だけが明白だった。

 しかし、悔い悩んでいても役には立たない。後悔している時ではなかった。雑念を振り払って、今できることは何かを考えねばならない。残された唯一の僅かな可能性は、私が7人の脱北者の実情と、上海で何をしようとしていたのかを、公安の取調官に正確に説明し、7人を弁護し、北朝鮮へ送還しない人道的処置を引き出すことであった。

 このために私は、7人の脱北者が「生き延びたい」という当然の願いから、中国に来た保護すべき人たちであり、日本から北朝鮮に帰国して行った人たちの家族であること、日本と韓国に親族がいて再会を待っていること、北朝鮮に送還されれば処刑される可能性があることを説明し、人道的な配慮を求める必要があった。方針が決まれば、あとは機会を待ち、実行するだけである。少し落ち着きを取り戻すことができた。

 日本では「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」が事態を知って、きっと日本と韓国で7人の救出を求める行動を起してくれると確信していた。2003年8月7日、午後4時頃のことであった。

(2)に続く

*上海拘束事件とこれからの課題《資料より》(2)
http://aoinomama13.seesaa.net/article/9790633.html
*上海拘束事件とこれからの課題《資料より》(3)
http://aoinomama13.seesaa.net/article/9809978.html
*上海拘束事件とこれからの課題《資料より》(4)
http://aoinomama13.seesaa.net/article/9828016.html
posted by あおいのママ at 22:40| 千葉 霧| Comment(0) | TrackBack(0) | '05 11/13 日本再生フォーラム講演会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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