2008年05月22日

'08 5/20 NHKBS1「BS世界のドキュメンタリー」潜入ルポ ダルフール 隠された真実(2)

*5/20放送の「BS世界のドキュメンタリー」シリーズ・アフリカを文字化テキストにしました。(約50分間)2回に分けて掲載しております。番組は6月1日(日)PM11:10〜AM0:00に再放送があるということです。

 番組中、多くの遺体が映し出されていました。(一応ぼかしは入っていましたが・・)こんなにたくさん見たのは初めてと言ってもいいくらいでした。その村々の襲撃に使われた武器は中国製・ロシア製だそうで、(映像の証拠あり)中国・ロシアは罪のない非戦闘員の人々への虐殺に手を貸しているということになります。しかし国連で問題にしても中国がダルフールに関する決議に拒否権を行使してきたので、どうにもできない状況になっているようです。他番組ですが、スーダンと中国との関係について分かりやすく説明しておりますので、よろしかったらどうぞ。先月の東京・永田町で開催されたダルフール写真展のカテゴリも合わせてご覧になってみてください。


*'08 5/3 TBS「報道特集NEXT」膨張する中国の実態 アフリカ・スーダン
http://aoinomama13.seesaa.net/article/95879222.html
*「'08 4/13 第1回ダルフール写真展」カテゴリ
http://aoinomama13.seesaa.net/category/5025133-1.html
*'08 5/20 NHKBS1「BS世界のドキュメンタリー」
 潜入ルポ ダルフール 隠された真実(1)

http://aoinomama13.seesaa.net/article/97443785.html

続き

【ナレーター】
 2003年、広大な面積を有するスーダン西部のダルフール地方でアフリカ系住民が自治権の拡大を要求します。しかしアラブ系のスーダン政府はこれを拒否、紛争が勃発します。スーダン政府はアフリカ系の反政府勢力を制圧するために軍隊を派遣。さらにアラブ系の民兵組織ジャンジャウィードを支援し、武器を供給したとされています。ダルフール地方は激しい空爆にさらされ、地上ではジャンジャウィードによる襲撃が始まりました。

 250万人以上が家を追われ、その多くがスーダンとチャドの国境地帯に設けられたキャンプに身を寄せました。国連の推定によると、この紛争によっておよそ30万人が犠牲になったと言います。国際社会は「スーダン政府がいわゆる民族浄化を行っている」として非難していますが、政府はこれを強く否定しています。

【スーダン イスマイル元外相】
 「これは部族間の争いです。反政府勢力も民兵も違う部族に属しています。部族対立が無秩序を招いたのです。」

【ナレーター】
 民族浄化の証拠を手に入れるのは非常に困難です。ダルフール地方を取材しようとしても、当局の厳しい報道規制にあい、実際に何が起きているのか、なかなか目にすることができません。真実を突き止める唯一の手段は、国境近くの危険地帯を突破してスーダンのダルフールに潜入することです。

【運転手】
 「このあたりは反政府勢力の支配地域です。」

【記者】
 「ジャンジャウィードも?」

【運転手】
 「ええ。ジャンジャウィードもあちこちうろついているでしょうねぇ。いつ襲われるか分かりませんから、村人たちはみんな怖がって他の場所へ逃げてしまいました。私だって怖いですよ。」

【記者】
 「引き返したい?」

【運転手】
 「できれば避けて通りたい場所ですね・・。」

【ナレーター】
 スーダンとの国境に最も近い村です。人影はまったくありません。運転手が先へ進むことを拒否したため私たちは立ち往生してしまいました。国境を越えるにはスーダンの反政府勢力と交渉し、移動手段と護衛を手配してもらうしかありません。24時間におよぶ電話交渉の末、ようやく話がまとまりました。

【記者】
 「30分後に迎えに来てくれるそうだ。」

【ナレーター】
 約束通りスーダンの反政府勢力が現われました。武装する兵士の中には10代の少年もいます。彼らは「2003年からスーダン政府に対して抵抗を続けてきた」と言います。国境を越えてダルフールに入るためには、彼らと共に馬に乗って砂漠を横断するしかありません。車を使うと簡単に敵に見つかってしまいます。そもそもガソリンが手に入らないのです。

【スーダンの反政府勢力兵士】
 「あそこがスーダンです。もうすぐ国境に着きますよ。」

【ナレーター】
 気温は50度。馬を疲れさせないようゆっくりと進みます。兵士たちは時折不安そうな表情を浮かべ、司令官は神経を尖らせています。

【スーダンの反政府勢力司令官】
 「早くここから離れよう。嫌な予感がする。もっとスピードを上げて。急いでここを抜けるんだ。ここは政府軍がよく通る道だ。早く離れないと・・。」

【記者】
 「分かった。見つからないうちに行きましょう。」

【ナレーター】
 国境付近にはスーダンの政府軍とジャンジャウィードがいる可能性があります。非常に危険な地域です。一晩かけて移動すると、スーダンの最初の村が見えてきました。人の姿は見当たりません。(ダルフール地方)それから数時間、いくつかの村を通過しましたが、どこにも人影はありませんでした。村には大急ぎで人々が逃げ出した痕跡も見られました。

 100キロの道のりを丸1日かけて進み、ようやく“ジェベル・ムーン”と呼ばれる丘に到着しました。ここはスーダンの反政府勢力の拠点で、これまでメディアの立ち入りが許されたことはありません。出迎えてくれたのはSLA(スーダン解放軍)の兵士たちです。「SLA !SLA!」

 SLAはスーダンにいくつかある反政府勢力の一つです。ダルフール地方での一般の住民をも巻き込む非道な弾圧に抵抗しています。この基地にはおよそ100人の兵士がいますが、村人たちの寄せ集めの部隊であり満足な武器も持っていません。司令官を務めるのは元警察官のダウードです。47歳の彼はダルフールで紛争が起きてからの4年間、部隊を指揮してきました。

【SLA司令官アダム・ダウード】
 「私たちは民間人を守るための部隊です。山の中に村人たちをかくまって、敵の襲撃から守っています。こんなことは一刻も早く終わらせたいですよ。」

【ナレーター】
 SLAの兵士たちは持っている武器をすべて見せてくれました。政府軍が残していったロケット砲もありますが、蓄えている弾薬はごくわずかです。頼りになる兵力とは言えません。四輪駆動車を改造した戦闘用車両も見せてくれました。

【SLA司令官アダム・ダウード】
 「車は運転席の屋根と窓を取り払ってあります。敵に見つからないように車体に泥も塗ってあるんです。砂漠の中では白い車は目立ちますからね。機関銃も取り付けました。以前は10人しか乗れませんでしたが、屋根を外したので今では20人ぐらいは乗せられるようになったんです。」

【ナレーター】
 反政府勢力はこのような間に合わせの装備で襲撃された地域のパトロールにあたっています。政府軍とジャンジャウィードから逃れるため、ダルフール地方の住民は常に移動生活を強いられています。数日前、ある村の住民全員がSLAの基地があるこの地域に保護を求めてやって来ました。残っている家畜など持てるだけの物を持って村から逃げて来たのです。

【逃げて来た住民】
 「ジャンジャウィードに飼っていた牛をすべて奪われました。昨日は7人の村人が殺されたんです。ここにいれば奴らに襲われる心配もありません。」

【SLA司令官アダム・ダウード】
 「一人でも多くの人を助けたいんです。ここで私たちと一緒にいれば生き延びる可能性は高くなります。」

【ナレーター】
 この村の人々はかなり前に別の土地に避難しました。しかし近くにSLAの基地ができたことで一部の村人たちが戻って来ました。いつ襲われるか分からない危険な土地で救援団体さえもう訪れることはありませんが、彼らは「故郷ダルフールを離れたくない」と願っているのです。ハサナもそんな一人です。

【住民ハサナ】
 「このビニールシートをもらったのはずいぶん前ですよ。見てください、とても古いのが分かるでしょ?最近は屋根をワラで覆ったり自分なりに色々と工夫しています。生活はすごく厳しいですよ。いつも危険と隣り合わせですからね・・。」

【ナレーター】
 何とか村の生活も少しずつ再開されつつあります。木陰で子どもたちとコーランを唱えているのは教師のウスマンです。ダルフール地方の住民のほとんどがイスラム教徒です。子どもたちはコーランの教えと忍耐について学びます。皮肉なことにここダルフールでは同じ神を信仰する者同士が傷つけ合っているのです。

【教師ウスマン】
 「ダルフールではイスラム教徒が同じイスラム教徒を殺しているのです。ここで起きていることを見るととても悲しくなります。胸が張り裂けそうです。正直なところ、私たちはもう二度と一緒には暮らせないような気がします。でも、この子たちにはできるかもしれない。そうなることを願っています。」

【ナレーター】
 しかし紛争が続くダルフール地方では、戦闘に加わる若者があとを絶ちません。この16歳の2人の少年も反政府勢力への参加を望んでいます。

【16歳の少年】
 「SLAの基地へ行きます。向こうの方に基地があったのを覚えています。訓練をつんで僕らも戦いたいんです。SLAに入ろうと思っています。ジャンジャウィードに立ち向かうためにね。奴らはアフリカ系の住民を殺し続けている。一刻も早く止めさせなくちゃ。僕らは戦うしかないんです・・。」(ラクダに乗って行く)

【ナレーター】
 基地ではダウード司令官が護衛部隊の志願者を募っています。襲撃があった現場まで私たちに同行してくれる兵士を探しているのです。志願者は多くは集まりませんでした。SLA(スーダン解放軍)が支配している地域は限られていて、そこを越えれば命を落とす危険性もあるからです。しかし現場に行けば4年余り続いているジャンジャウィードの殺戮の証拠を見つけられるかもしれません。多くの噂は飛び交っていますが、実際に目撃した人はいないのです。1時間におよぶ話し合いの末、30人の護衛部隊が編成されました。

【SLA護衛部隊責任者】
 「諸君、よく聞いてくれ。これは非常に厳しい任務だ。取材班を保護しながら東へ向かわなければならない。ジェベル・ムーンの戦士として名誉ある行動をとってくれ。」

【SLA司令官アダム・ダウード】
 「私は諸君を誇りに思う。今ここで起きていることを世界に伝えてもらうのだ。」

【ナレーター】
 兵士たちはトラックを押してエンジンをかけます。バッテリーがあがっているためです。目指すはダルフール中心部。近づくにつれて危険が増していきます。途中の村には生々しい襲撃の痕が残っています。

【護衛部隊兵士】
 「ここの住民は3年前、ジャンジャウィードから逃れるために避難しました。」

【SLA司令官アダム・ダウード】
 「みんなトラックから降りるんだ。ついて来い。」

【ナレーター】
 ダウードたちは「かつて10人の村人をここに埋葬した」と言います。

【SLA司令官アダム・ダウード】
 「ここには大人が3人埋まっています。向こうには子どもたちの遺体、そこに男性が1人、あそこには女性です。ここにも女性が1人、こっちに男性がもう1人です。」

【ナレーター】
 埋葬してから1年以上が経ちますが、ダウードはどんな人物を埋葬したか覚えています。目じるしのために置いた石で見分けることができるのです。

【SLA司令官アダム・ダウード】
 「ここにも埋まっています・・。」

【ナレーター】
 この集落には人気がまったくありません。むごい殺戮が行われた証拠です。

【記者】
 「ここは危険ですか?」

【SLA司令官アダム・ダウード】
 「ええ。近くにジャンジャウィードがいます。」

【ナレーター】
 結局、私たちは引き返すことになり、虐殺の証拠探しはここで終わってしまいました。

 私たちは2005年にもダルフール地方を取材しています。当時はSLA(スーダン解放軍)と共に、今回よりさらに500キロ北まで進みました。その時も大規模な集団虐殺の話を耳にしました。元々、教師をしていたというアダムは「家族を皆殺しにされて反政府勢力に加わった」と言います。“ジェノサイド・マウンテン”と呼ばれる丘まで案内してくれました。

【SLA兵士アダム】
 「これは人間の骨です。虐殺された人たちです。アラウイヤなどの村から逃げて来た人たちがこの丘に隠れていたのですが、政府軍とジャンジャウィードに見つかって皆殺しにされたんです。ご覧の通り、この丘のあちこちに人骨が散乱しているでしょう?そのため“ジェノサイド・マウンテン”と呼ばれるようになったのです。」(人骨だらけの映像)

【ナレーター】
 遺体に残された衣服の切れ端から犠牲者は民間人であったことが分かります。何十体もの白骨化した遺体を見ると、組織的に行われた殺戮であることは明らかです。こうした映像が撮影されるのは非常に珍しいことです。大量殺戮を否定しているスーダン政府にとって都合の悪い証拠です。一部の人権団体は「ダルフール地方にはこのような集団虐殺の爪痕が何百も存在している」と言います。それも政府がこの地域への立ち入りを厳しく制限している理由かもしれません。

 アダムはさらに別の場所へ案内してくれました。この辺りに点在している大きなクレーターです。直径10メートル、深さ2メートルの穴の中には大型爆弾の破片が見えます。

*クレーター(Crater)とは、爆発や衝突によって作られる凹地のことである。(Wikipediaより)

【SLA兵士アダム】
 「これは爆弾です・・。」

【ナレーター】
 さらに少し離れた所にある浅いクレーターには不発弾が横たわっていました。重さは少なくとも300キロはあるでしょう。

【SLA兵士アダム】
 「この爆弾はロシアで作られたものです。スーダン政府がロシアから輸入したのでしょう。」

【ナレーター】
 「こうした兵器の存在は殺戮に政府が関与している証拠だ」と言います。一方の政府側は「すべてジャンジャウィードの仕業だ」と主張しています。しかし正規軍ではない民兵がこのような武器を手に入れられるとは考えられません。スーダン政府がダルフールの民族浄化につながる軍事支援を行っているのは明らかです。

 スーダンのバシル大統領は、一つの国家が異なる部族や民族によって分裂するのを阻止しようとしています。これまで何度も取材を申し込みましたが応じてもらえませんでした。2003年以来、バシル大統領はダルフール地方での殺戮を陰で操ってきたとされていますが、国連は有効な対策を打ち出すことができずにいます。中国がスーダンに関する決議に拒否権を行使してきたからです。

 スーダンは大量の石油を中国に輸出しており、さらに石油の販売によって得た莫大な利益で中国とロシアから武器を購入しているのです。


 これは未来のスーダンの首都を描いたPRビデオです。首都ハルツームを高層ビルが立ち並ぶ近代的な都市に改造する壮大な計画です。その一方で、バシル政権がダルフール地方に行ってきたことは、この華々しい計画とはほど遠い陰惨なものです。おびただしい数の犠牲者と難民を出してきた紛争はチャドの南東部へと広がりつつあります。

 我々取材班は襲撃に遭ったチャドの村“ティエロ”と“マレナ”を再び訪れました。虐殺から10日が過ぎた村には動物たちの姿しかありません。さらに何キロか進むと別の部隊が現われました。チャドの正規軍です。チャドの南東部では一触即発の事態が続いています。機動部隊や装甲車、戦車が投入され、突発的な戦闘が繰り広げられています。

 チャド正規軍の部隊に同行して、前日に戦闘があった場所を訪れました。辺り一面に散乱する残骸が、戦闘の激しさを物語っています。

【チャド正規軍の兵士】
 「昨日の戦闘で使われたものでしょう。23ミリの砲弾ですね。行きましょう。時には直接敵とぶつかりあうこともあります。敵の車両に車を激突させるんです。このエンジンはもう使い物になりませんね。」

【ナレーター】
 再び国境を目指します。スーダンまであと1キロ。危険が高まり、兵士たちにも緊張の色がうかがえます。

【記者】
 「この辺りは危険ですか?」

【チャド正規軍の兵士】
 「ええ、ここは安全な場所ではありませんよ。」

【記者】
 「そばに敵が?」

【チャド正規軍の兵士】
 「はい。国境の向こう側からスーダンの政府軍やジャンジャウィードの民兵たちが攻撃を仕掛けてくるかもしれません。」

【記者】
 「私たちに向かって?」

【チャド正規軍の兵士】
 「そうです。私たちが反撃すればさらに厄介なことになってしまいます。」

【記者】
 「分かりました・・。戻りますか?」

【チャド正規軍の兵士】
 「引き返しましょう・・。」

【ナレーター】
 2日間、チャドの正規軍は村人を襲ったジャンジャウィードと交戦してきました。「ジャンジャウィードは、スーダン国内に拠点を築くチャドの反政府勢力と手を結んでいる」と言われています。

 ここはチャド正規軍の司令部です。敵の捕虜が拘束されています。汚れた衣服を身に着け、負傷している者もいます。彼らがジャンジャウィードなのか、チャドの反政府勢力なのかは分かりませんが、正規軍の大佐は「全員人殺しだ」と主張します。

【チャド正規軍アブドラ大佐】
 「この男たちは村人を殺し、家に火を放ち、女性たちを殴り殺しにしました。家畜も残らず盗んだんです。極悪非道な集団です。」

【記者】
 「彼らは?」

【チャド正規軍アブドラ大佐】
 「虐殺を指揮していたジャンジャウィードの幹部たちです。まずティエロ村を襲撃した後、他の村も焼き払うよう部下たちに命じたのです。首謀者たちですよ。その男が隊長、向こうにいるのが副隊長です。この2人がジャンジャウィードとチャドの反政府勢力の連携を図ったのです。」

【ナレーター】
 司令部には捕虜から取り上げた武器が集められていました。中には大型の機関銃もあります。こういった新しい武器をどこから手に入れているのか、将校たちは「分かっている」と言います。

【チャド正規軍将校】
 「この砲弾は中国製です。あちらはロケット砲。誰が奴らに武器を供給したか分かっています。スーダン政府に間違いありません。ジャンジャウィードとチャドの反政府勢力に兵器を与えたのです。」

【記者】
 「全部、中国製ですか?」

【チャド正規軍将校】
 「ええ。すべて中国で作られた物です。」

【ナレーター】
 中国製の兵器は、スーダン政府が民兵組織に武器を供与している事実を示す重要な証拠です。チャドの兵士が目を離した隙に捕虜たちに話を聞きました。

【記者】
 「あなたたちはジャンジャウィードですか?」

【捕虜】
 「違います。私たちはチャドの住民です。道案内をしていただけで攻撃などしていません。私たちは山に隠れていたんです。本当にジャンジャウィードなんかじゃありません。信じてください。」

【チャド正規軍将校】
 「おいっ、何してる?」

【記者】
 「話を聞いていただけです・・。」

【チャド正規軍兵士】
 「もう、いいだろう?終わりだ。これ以上、何を聞きたい?」

【記者】
 「あと少しだけ質問させてください。彼の話を聞きたいんです。」

【チャド正規軍兵士】
 「終わりだと言っただろう。」

【記者】
 「お願いします。もう少しだけ。」

【チャド正規軍兵士】
 「一体、何を知りたいんだ?」

【記者】
 「ジャンジャウィードかどうか聞いたんです。」

【チャド正規軍兵士】
 「もちろん、そうだ。」

【記者】
 「何故ですか?でも、彼らはチャド人だと言っていますよ。」

【チャド正規軍兵士】
 「もう終わりだ。さあ。」

【記者】
 「分かりました。」

【ナレーター】
 この地域で自らジャンジャウィードと名乗れば間違いなく処刑されます。彼らは本当にティエロとマレナの村を襲った恐ろしいジャンジャウィードなのでしょうか。結局、真実を知ることはできませんでした。

 今、この地域一帯は混乱に包まれています。チャドの村人たちもスーダンのダルフール地方の住民と同じ運命をたどろうとしているのです。数えきれないほどの人々が殺され、家を追われました。この紛争は一体いつ終わるのでしょうか?マレナ村の村長だったハミスの人生も一変してしまいました。かつては多くの家族に囲まれて幸せな生活を送り、村人たちからも尊敬される指導者でした。

【マレナ村ハミス村長】
 「ここにいるのはみんな私の村の住民です。いつまで難民キャンプで暮らさなければいけないのか、不安で仕方ありません・・。」

【ナレーター】
 ハミスの難民生活は当分の間、続きそうです。罪のない人々の家を襲い、命をも奪うダルフール紛争。その終わりはまだ見えていません。

終わり

プロデューサー:トマ・ダンドワ
ディレクター:ステファニー・ロベール
撮影:ピエール・クレッソン
制作:Tony Comiti(フランス 2007年)
posted by あおいのママ at 10:23| 千葉 | TrackBack(0) | 報道番組テキスト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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