2007年09月23日

'06 12/17 拉致問題に関する講演会 河内隆さん(拉致問題対策本部事務局総合調整室長)(3)

*講演要旨をレポートにしました。約40分間の長いお話の上、非常に早口でしたので、聞き取りに間違いやカン違いのある可能性がかなりあると思います。どうかご了承ください。3回に分けて掲載致しております。今回が最終回です。

*'06 12/17 拉致問題に関する講演会 河内隆さん(1)
http://aoinomama13.seesaa.net/article/56152685.html
*'06 12/17 拉致問題に関する講演会 河内隆さん(2)
http://aoinomama13.seesaa.net/article/56496074.html

続き

【河内隆さん・内閣官房拉致問題対策本部事務局総合調整室長】
 さて、ここからはこの拉致問題について、それではどう日本政府として取り組んでいくのか、取り組んでいるのか、その点に話を移らせていただきたいと思います。

 安倍内閣は拉致問題を最重要課題というふうにとらえています。これは拉致問題は国として解決すべき問題、だと真正面からとらえているわけです。拉致が北朝鮮による未曾有の国家的犯罪行為である以上、拉致問題というのは国民の生命と安全に関する重要な問題であり国家主権の侵害であります。したがいまして、政府一体となって問題解決に取り組む体制が作られています。

 9月26日、政権発足と同時に拉致問題担当大臣に塩崎官房長官が任命されました。そしてご家族の信頼も厚い中山旧参与が拉致問題担当の総理補佐官になりました。9月29日、政権発足3日で閣議決定により安倍総理を本部長・塩崎大臣を副本部長、他のすべての国務大臣を本部員の拉致問題対策本部が設置されました。

 そして10月16日には第一回会合が開かれ、拉致問題の司令塔として問題解決に全力で取り組んでいく体制がとられました。事務局体制は中山総理補佐官を事務局長とする専任の事務局がとられ、総合調整室・政策企画室・情報室の三室体制となり、スタッフの増強も計られています。本部のもとには各省級の関係省庁対策会議が開かれ、3つの分科会、法執行・情報・広報の各分科会も置かれているところであります。

 では拉致問題に日本政府はどういう方針のもとに取り組んでいるのでしょうか。その点につきましては17ページもご覧いただきたいと思いますが、一言で言えば日本政府の方針は「拉致問題の解決なくして日朝正常化はありえない」というものであります。拉致された被害者が全員生存しているのを前提ですべての拉致被害者を奪還すること、このことが政府の目指すところであります。すべての拉致被害者の奪還、具体的に言いますと、被害者全員の安全確保・即時帰国そして拉致問題の真相究明、拉致実行犯の身柄引き渡しを北朝鮮に対して強く要求しているのです。

 ここで17ページの第一パラグラフは政府としての表明意識を示しています。第一パラグラフは国際関係における情報を示す、そして第三パラグラフ、まさに対話と圧力という一貫した考え方のもとに取り組んでいくとはっきり書いています。北朝鮮に対し日本の政府の対話と圧力という基本姿勢は変わりませんが、拉致問題に対し北朝鮮側から何ら納得できる対応がなされていないことを理由にして、現在日本政府としての厳しい対応をとっている、日本政府一体となって取り組んでいるわけです。北朝鮮がこの決意を厳粛に受け止め、拉致問題解決のための決断を早急に下すこと、そして日本政府の原則は譲れない、ボールは北朝鮮にあるんだ、というところであります。

 今の要求していることの一番大事なことに法執行の問題、そして情報集約分析・国民世論の啓発、特定失踪者の問題、国際的な協調の問題について取り組んでいます。

*拉致問題における今後の対応方針(平成18年10月16日)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ratimondai/dai1/housin.html

 そして18〜20ページ、個々について説明することができないのは残念でございますが、皆さんぜひとも見ていただきたいと思います。北朝鮮籍を有する方の入国原則禁止とか、万景峰号の入港禁止とか、北朝鮮船籍の船舶の入港禁止、あるいは北朝鮮からの全品目の輸入禁止、ぜいたく品の輸出禁止等、大変多くのものが措置としてとられていることがおわかりになろうと思います。

*関係省庁による拉致問題関連施策
 (平成18年11月 内閣官房拉致問題対策本部事務局)

http://aoinomama13.seesaa.net/article/53039707.html

 現在北朝鮮に対してとっているこうした措置につきましては、7月のテポドンのミサイル発射、そして10月の核実験実施を受けて北東アジアの安全保障上の懸念の対応がとられたわけですが、同時に拉致問題についても、北朝鮮が何ら誠意ある対応をとっていないということが加えてとらえられているのです。

 こうした北朝鮮措置を着実に実行していくことや情報収集・分析そして国際協調・広報活動に、これらを重点的に取り組んでいこうとしているわけですが、皆さんぜひともご留意いただきたいのは2点ほどでございます。それは対話と圧力、経済制裁についてです。どうも対話と圧力というものが何か二者択一のように交互に、今は対話・今は圧力とひょっとするととっているかもしれませんが、常に日本政府としては対話の窓は開け続けています。日本は憲法上の軍事を行使するということにはいきません。あくまで対話を戻すための手段としての圧力だと考えております。この問題解決はまさに対話の相手にもっていかなければならないということです。

 そして皆さんもう一つご留意いただきたいのは、一連の経済制裁をする、この制裁措置をとるように要請したのは実は被害者ご家族の方々なのです。我々はその思いを重く受け止めなければならないと思います。北朝鮮に対して孤独な戦いの中で、専門家を越えるほどの知識を情報を集め研究をされ、そこから「制裁措置をとれないかぎり北朝鮮は決して動かない」と判断し、その上で「制裁してください」と政府に求めているわけです。「制裁を行えば少しはあの北朝鮮が動くかもしれない」、ご家族の一縷の望みなのだろうと思います。

 当然のこと、制裁を行うにあたって最も恐れおののいているのもまたご家族だろうと思います。人質にとられている我が娘・息子・弟・妹・お兄さん、お姉さん、「危害が加えられるかもしれない」という不安を、これはもう想像を絶するものがあるのだろうと思います。それでも日本側が行動を起さない限り取り戻せない。家族を取り戻すため、とってもつらい決断をされているのだということを、我々みんなが認識をしなければならないと思います。

 そして強調したいことは、拉致を実行した北朝鮮が圧倒的に決定的に有利な立場にある、ということなのです。北朝鮮は何もしないで「もう解決済みだ」としらを切っていれば何も困りません。その北朝鮮を動かさなくてはならない。しかも相手は罪を犯しているのに犯罪とは何ら思っていない。辛光洙(シン・ガンス)という工作員を称賛し、そして北朝鮮に戻ったら英雄扱いするような、そんな普通の通常の意識からは国とは比べようもない極めて異質な異様な国を相手にしている、ということを我々は忘れてはいけないだろうと思います。

 さて21ページ以降につきましては山中先生が触れられますので省略致します。最近の11月以降の動きだけ一言加えさせていただきますが、まず捜査当局の努力です。26ページをお開きください。新潟県佐渡の曽我ミヨシひとみさん母娘の拉致事案ですが、その実行犯として北朝鮮の女工作員・キム・ミョンスクにつきまして11月2日に逮捕状の発布を得て国際手配をしているところです。

母娘拉致容疑事案の被疑者・通称キム・ミョンスクに対する逮捕状の発付について

 新潟県警察は、昭和53年8月12日に発生した曽我ミヨシさん・曽我ひとみさん母娘拉致容疑事案について、関係者の供述、関係事項の裏付けその他所要の捜査の結果、本件の実行犯を北朝鮮工作員・通称キム・ミョンスクと特定し、本日、国外移送目的略取、国外移送の容疑で逮捕状の請求を行い、その発付を得た。

1 逮捕状発付年月日
 平成18年11月2日

2 被疑者
 国籍 朝鮮
 住居 不詳
 氏名 通称キム・ミョンスク 女性
 年齢 70〜80歳位

3 適用罪名
 国外移送目的略取罪、国外移送罪

4 犯罪事実の要旨
 北朝鮮工作員・通称キム・ミョンスクは、氏名不詳の者数名と共謀の上、昭和53年8月12日、新潟県佐渡市(当時佐渡郡)において、曽我ミヨシさん(当時46歳)、曽我ひとみさん(当時19歳)を略取し、付近から両名を船舶に乗せて、北朝鮮へ向けて出国し、日本国外に移送したもの。

本件担当
 警備局外事情報部外事課理事官 宮沢警視正

*北朝鮮による拉致容疑事案について
 国際手配被疑者一覧(拉致容疑事案関係)

http://www.npa.go.jp/keibi/gaiji1/wanted/wanted_j.html

 そして外交上の取り組みとして、11月中旬のベトナムのハノイで行われましたAPEC(エーペック・アジア太平洋経済協力会議)の場におきましても安倍総理・麻生外務大臣が一連の会合で拉致問題の重要性をうたい、拉致問題は日朝だけの問題ではなく、北朝鮮による拉致被害者は12カ国にも及ぶとの報道・見解があります。「拉致は基本的人権の侵害である」、このことは国連も認めています。あらゆる外交上の機会をとらえて、諸外国の理解と支持を得ていくことが大事だと認識しています。

 そしてもう一つ重要なことは28ページをご覧ください。11月20日に松本京子さんを拉致被害者と認定を致しました。政府認定としては17人目となります。詳細についてはこの資料をご覧いただきたいと思いますが、もちろん拉致の可能性が残る事案につきましても、その全容解明に引き続き全力で取り組んでまいります。

*女性拉致容疑事案について 警察庁 平成18年11月20日
http://aoinomama13.seesaa.net/article/56639114.html

 時間の関係もございますのでまとめに入ります。今後の展望でございますが、拉致問題の解決には世論の盛り上がりが必要不可欠であります。今年6月、いわゆる“北朝鮮人権法”が議員立法で成立致しましたが、毎年12月10日から16日までが“北朝鮮人権侵害問題週間”と定められました。くしくも昨日で終わっているわけです。

 ご家族の方々はすでに70歳を越え高齢になられ、身体の節々を本当に酷使されていますが、何とかして家族を取り戻そうと連日支援を求め活動をされております。横田ご夫妻の場合には47都道府県を周られ、1000回を超える講演をされているという状況です。まさに頭の下がる思いがします。こうしたご家族の思いに少しでも応えるべく、今政府としても真剣に取り組んでいるところでございます。

 この家族会・救う会・議連主催の国際会議が12月13日に開かれました。国際連携の重要性がアピールされましたし、12月14日には政府主催の“拉致問題を考える国民の集い”が開かれ、横田ご夫妻にも講演をしていただきました。最後の30ページにもありますように、新聞・雑誌による広報も展開し、拉致問題の理不尽さ、その解決の重要性をアピールしていくことが重要だろうと思います。皆さんご覧になられた方もあろうかと思いますが、この「めぐみ アブダクション・引き裂かれた家族の30年」という映画、ぜひご覧になっていただきたいと思います。

 明日から六ヵ国協議が再開されます。北朝鮮をめぐる情勢は予断を許しませんが、協議再開は一歩前進なのかもしれません。しかし北朝鮮の目的は金融制裁解除、そして原告との直接交渉にあるというふうに見ています。日本としては当然拉致問題を最重要課題としてこの場にて取り上げていきます。しかしながら、国際社会からまったく受け入れられないことを平然とやってのけるのが北朝鮮であります。暴挙を繰り返していた相手です。それだけに拉致問題につきましては先行き不透明な状況が続くということを率直に申し上げざるを得ません。解決に向けてまだ明確な光が見えているわけでは決してありません。

 しかし、5人の被害者の方々があの飛行機のタラップから降りて来られ、ご家族に抱きしめられたあの感激をぜひともすべての拉致被害者のご家族、そして何よりもご本人に味わっていただきたい。そのために私ども政府の人間としては問題解決のためにあらゆる方策を考え、成しえることすべてをやっていきたいと思います。安倍総理を先頭に政府一体として取り組んでまいります。中山総理補佐官を支えスタッフも増強し体制を整える。今最終局面ですが予算についても色々交渉しています。今ほど拉致問題に向けての機運が、解決に向けての機運が高まっていることはないだろうと思います。

 本日、ご列席の皆さま方はその意味では拉致問題について関心を持っていただいた意識の高い方々ばかりだろうと思います。どうか本日の講演会を契機と致しましてますますご関心を高めていただき、拉致被害者ご家族の壮絶な戦いを自分の目で見ていただき、そして悲痛な叫びをお一人お一人が我が身の問題として受け止め、しっかりと考えていただきたいと思います。そのことが救出に向けての日本国としての力につながるものと考えます。ご静聴本当にありがとうございました。(大拍手)

終わり
posted by あおいのママ at 21:25| 千葉 曇り | TrackBack(0) | '06 12/17 拉致問題に関する講演会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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