*6/10 フジテレビ「新報道プレミアA」ニセ札取引の瞬間
http://aoinomama13.seesaa.net/article/44534236.html
続き
【ナレーター】
秋葉原を歩く1人の男。エンジニア・松村喜秀(57)。趣味は機械いじり。
【ニセ札鑑定士・松村喜秀さん】
「(品物を)買ったらすべてバラしちゃいます。バラして楽しんでいます。相手はどういう発想でこういう物を作ったかというのと、自分だったらこれの動きをちょっと違うやり方でやるなだとか、そういうのがおもしろいんですね。」
【ナレーター】
ただの機械マニアではない。世界は彼をこう呼んでいる。「偽札バスター」。国家ぐるみでの製造とされる北朝鮮のニセ札。その取り引きの瞬間をとらえた映像を入手した。(2007年5月)
中国と北朝鮮の国境付近、向って奥が北朝鮮側。北朝鮮兵士のすぐ側にいるのは中国人ブローカーだ。川を挟んで両者は接触した。何かを取り引きしたようだ。ブローカーの手に握られていたのは2枚のドル紙幣。これが北朝鮮のニセドルなのか?
あるルートを通じ、この紙幣が「偽札バスター」松村の元に持ち込まれた。(東京台東区・松村テクノロジー)彼はある機械に紙幣を入れた。すると・・・瞬時にしてニセ札と見破った。これが松村が開発した精巧なニセ札を見破る鑑別機だ。その誕生には長い道のりがあった。
【ニセ札鑑定士・松村喜秀さん】
「だってこれ(ニセ札)をもらった時、これのどこが偽なの?というのが、触ってもニオイをかいでも偽っていう証拠がないんですよね、そういうとこが決め手の・・・。」
【ナレーター】
命がけで手に入れた究極のニセドル。その秘密を暴き出すため、町工場のオヤジが戦いを挑んだ。突き動かしたのはエンジニアの意地。「この瞬間も世界中のどっかでニセ札を作り続けているエンジニアがいるんだよ。オレはそんな卑怯な奴らを許せないっ!」
だが、そこには大きな壁が立ちはだかっていた。探し続けたのは“偽という証(あかし)”―。
「運命の舞台裏 X」 北のニセ札を見破れ! 下町・熱血エンジニアの戦い
【ナレーター・松村喜秀さん】(再現ドラマ)
当時私は小さな会社を立ち上げ、電子回路の設計を手がけていた。(1987年夏 松村エンジニアリング)そこに意外な注文が飛び込んできた。ソウルオリンピックに備えて「ニセドルを見破る鑑別機を作ってくれ」というのである。ニセ札など見たこともなかったが、半年で鑑別機を完成させた。私にとっては単なる製品の一つだった。だが、それが私の人生を大きく変えることとなった。
【松村社長】
「ニセ札はこのようにはじき出します。」
【お得意さん】
「松村さん、よくやってくれました。」
【ナレーター・松村喜秀さん】
評判は上々、鑑別機は売れに売れた。しかし(1988年)ソウルオリンピックが終わって一転・・・。
【松村社長】
「○○さん、それどういうことですか?そんなこと言っても、○○さんー!」(電話が切れる)
【会社従業員・イワモトさん】
「社長?どうしたんですか?」
【村松社長】
「イワモト・・・ニセドル鑑別機はもういらないと・・・。」
【会社従業員・イワモトさん】
「いらないって、ど、どういうことです!」
【ナレーター・松村喜秀さん】
私の鑑別機をいとも簡単に突破する精巧なニセ札が現れたのだという。残されたのは在庫の山と多額の借金。そして何より技術で負けたことが屈辱だった。
【ニセ札鑑定士・松村喜秀さん】
「誰がこんなすごいニセっていうか、うちの機械を通すようなそういうニセ(札)を作っているんだろうと。これ疑問とあとは憎しみ・・・」
【ナレーター・松村喜秀さん】(再現ドラマ)
諦めるわけにはいかなかった。(社員を集めて会議をする)
【松村社長】
「東南アジアへ行く。ニセドルが多く出回っているそうだ。」
【会社従業員・イワモトさん】
「東南アジアって、どこですか?」
【松村社長】
「わからん」
【会社従業員・イワモトさん】
「わからんって・・・」
【松村社長】
「だからわからん。タイ、カンボジア、ベトナム、フィリピン、マカオ、香港、ニセドルが飛び交っていそうなマフィアが仕切っている場所を手当たり次第に当たってみる。」
【会社従業員】
「どうしてうちがそこまでやらなきゃならないんですか!」
【会社従業員・イワモトさん】
「社長の気持ちはわかります。あれだけ骨身を削って作った機械があっという間に二束三文の値打ちしかなくなるなんて・・・」
【松村社長】
「違うっ!オレが言いたいのはそんなことじゃないんだよ!ニセ札鑑別機を作ったオレたちもエンジニアだ。ニセ札を作っているのもエンジニアなんだよ。今もこの瞬間も、世界中のどっかでニセ札を作り続けているエンジニアがいるんだよ。オレはそんな卑怯な奴らを許せないんだよっ!」
【会社従業員・イワモトさん】
「社長・・・」
【松村社長】
「必ずニセ札を見つけてみせる!これはエンジニアとしての意地だ!」
【ナレーター・松村喜秀さん】
以来、東南アジアを転々とした。あてなどなかった。行くのは観光客も寄り付かない危険な場所ばかり。しかし、苦労してやっと手に入れたニセ札も一目見て偽物とわかるような代物ばかりだった。
そんな中、私はニセ札の出所についてあるウワサを耳にする。それがあの国だった。
【ニセ札鑑定士・松村喜秀さん】
「北朝鮮と非常に親しい国だけが大量に(ニセ札が)発見されていたんです。色んなことを調べているうちに段々疑惑というか、これが強まってきたんですよ。」
【ナレーター】
実はその頃、北朝鮮は金正日書記を中心にニセドルの大量生産を開始。それを海外に持ち出し本物と取り替えるマネーロンダリング(資金洗浄)を行い、外貨を獲得していたという。アメリカの元政府高官は北朝鮮のニセ札作りについて次のように証言する。
【アメリカ合衆国元国務省顧問 デビット・アッシャー氏】
「北朝鮮のニセ札は、本物の紙幣とまったく同じ技術・方法・安全対策が取られています。国際社会に対する明らかな挑発であり、決して許されない行為です。」
【ナレーター・松村喜秀さん】(再現ドラマ)
私は図らずも北朝鮮という巨大な国家の犯罪に向き合おうとしていたのである。
ニセ札を探し始めて2年(1990年)、私はカンボジアのある場末のクラブに通いつめていた。(店内のシーン)「このマフィアが精巧なニセ札を持っている」という情報を聞きつけたのだ。
【マフィア】
「マツムラさん、ベリー変な人ね。NOガール、NOドラッグ、NOマリファナ、ウィスキ リトル、何好き?」
【松村社長】
「う〜ん・・・」
【マフィア】
「マツムラさん、トモダチ。プレゼント フォーユー」
【松村社長】
「NONONO、いいの」
【マフィア】
「プレゼント フォーユー」
【松村社長】
「(頼むなら今しかない!)・・・ニセ札が欲しい」
【マフィア】
「ファット?」
【松村社長】
(お金を出す)
【マフィア】
「お前、何を考えているんだ。そんなヤバイ物、どうする気だ?出て行けー!!」(突然怒り出す)
【ニセ札鑑定士・松村喜秀さん】
「言葉がわからないので、何て言ったか覚えてないけど、非常に怒っていました。怒って、相手は殴られていないのが不思議というくらい。もう言っちゃったんで後は引けなくなっちゃったんで・・・」
【ナレーター・松村喜秀さん】(再現ドラマ)
資金も底をつき、帰国の日は迫っていた。(トラブルの翌日)
【松村社長】
「ミスター○○・・・」
【マフィア】
「2万」
【松村社長】
「2万?」
【マフィア】
「ハイ、2万!」
【ナレーター・松村喜秀さん】
2万円と引き換えに渡されたのは・・・4枚の100ドル札。どう考えても値段が釣り合わない。ニセ札だ!
【ニセ札鑑定士・松村喜秀さん】
「だって、これをもらった時にですね、これのどこがニセなの?というのが、触ってもニオイをかいでも、あるいは透かしを見ても、透かしも全部入っているでしょ、これ。だからすべて入ってるんで、ニセという証拠がないんですよね、そういうところだけ見ても。」
【ナレーター】
そのニセ札は想像をはるかに超えていた。数字を囲む緩やかな曲線、さらに肉眼では見えないほど小さな文字まで正確に印刷されていた。
【ニセ札鑑定士・松村喜秀さん】
「すべて同じなのに、これは本物でこれが偽物と言ったら、どうして?ってなっちゃうじゃないですか。そのどうして?を証明するまでが大変だったんです。」
【ナレーター】
ニセの証をつかまない限り、このニセ札を見破る鑑別機は作れない。松村の新たな戦いが始まった。
【会社従業員・イワモトさん】(再現ドラマ)
「社長・・・、これやっぱり本物じゃないですか?どう調べても本物ですよ。紙もインクも何もかも・・・」(拡大コピーしてニセの証を探す社員たち)
【松村社長】
「だから、よくできたニセ札なんだよ。もっと調べろよ。」
【会社従業員・イワモトさん】
「ねぇ社長、もうやめにしませんか?鑑別機の開発に経費も人手も取られて、会社火の車なんですよ!海外出張だって、こう度々・・・」
【松村社長】
「やめない!何が何でもやめないよ!ニセドルを見つけ出して、それを鑑別できる機械を作るまでは絶対にやめない!」
【会社従業員・イワモトさん】
「ですが、社長・・・」
【ナレーター・松村喜秀さん】
私は夜を徹して鑑別を続けた。飽きるほど見つめ、そして触り続けた。
【ニセ札鑑定士・松村喜秀さん】
「ニオイもかいでみたり、くしゃくしゃにしてやってみたり。あるいはお金ってよく見ると毛が立っているんですよ、その毛の高さを測ってみたり、あるいは色んなクリップや針で傷をつけてその傷の立ち具合を調べてみたり、色々やったんですけど・・・」
【ナレーター・松村喜秀さん】(再現ドラマ)
やれることはすべて試した。しかし違いはわからなかった。もうヤケクソになっていた。
【会社従業員・イワモトさん】
「社長、な、なにするんですか!あ、ああっ〜!」(ニセ札を切り刻んで食べるのを見て)
【松村社長】
「味はまだ調べてないだろう?もしかしたら本物と偽物はインクの味が違うかもしれない。なっ!」
【会社従業員・イワモトさん】
「何もそこまで」
【松村社長】
「お前も食え」
【会社従業員・イワモトさん】
「はぁ?わぁっ・・・」(口に入れられる)
【ニセ札鑑定士・松村喜秀さん】
「ちょっとしょっぱかったんですよ。しょっぱいっていうのは、人が触っちゃって、まぁちょっと汚いけど汗がそのまま染みこんじゃったんで、しょっぱい味はしました。」
【記者】
「しかし食べるって、そこまでしなくてもよかったんじゃないですか?」
【ニセ札鑑定士・松村喜秀さん】
「いや、だけど違いがあんまりにも見つからないんで、どうしようもなかったんです。」
【ナレーター】
しかしこのあと奇跡が・・・。下町のエンジニアが暴いたニセ札の証とは―。
【ナレーター・松村喜秀さん】(再現ドラマ)
会社は火の車。だが、借金できる銀行はどこにもなく、私はついに子どもの貯金まで持ち出した。もうどうにもならないところまできていた。
【松村社長】
「ごめん・・・」(寝ている子どもに謝る)
【ナレーター・松村喜秀さん】
その時だった!(電話が鳴る)
【松村社長】
「もしもし、松村です。」
【会社従業員・イワモトさん】
「社長!わかりましたっ!見つけましたよ、偽物ですっ!」
【松村社長】
「そうかっ!」
【ナレーター・松村喜秀さん】
家庭も会社も顧みず、エンジニアの意地だけで突き進んで来た。まさに起死回生の大逆転だった。
【ナレーター】
松村が発見したのは1,000分の1ミリのわずかな違いだった。
【ニセ札鑑定士・松村喜秀さん】
「ここが切れています。ちょこっと切れています。ここがニセなんです。」
【記者】
「ああ。線が最後までつながっていないんですね。」
【ニセ札鑑定士・松村喜秀さん】
「つながってないんです。」
【ナレーター】
その違いの一つは、中央の肖像画を囲む線。本物は最後までつながっているのに対し、ニセ札は切れている。そしてもう一つは、左下の数字を囲む2本の線。本物は2本が並行に延びているが、ニセ札は途中でくっ付いている。松村は全米のすべての印刷工場から本物を取り寄せ、違いを照合。2つの特徴を持つ紙幣は存在しなかった。
これをきっかけに松村は、磁気や印刷パターンなど次々とニセ札の特徴を発見。それらのデータをすべてインプットし完成したのがこの鑑別機だ(偽札鑑別機「EXC−5700A」)。
鑑別機には、磁気や赤外線を調べる高性能のセンサーを搭載。わずか0.7秒で見分ける驚異の鑑別機の誕生だった。そして松村はあのニセ札を北朝鮮にちなんでこう名付ける。
“SUPER K”(スーパーK)
下町のエンジニアが世界で初めてその正体を見破ったのだ。
1996年(6月10日)、ニューズウィークが松村の特集記事を掲載。「偽札バスター」と名付けたことで松村の名は世界に広まった。たちまち世界中から注文が殺到。現在、世界70カ国の金融機関・ホテル・免税店などに3万台を出荷。さらに捜査機関や通貨当局が協力を求めるまで松村の名は世界にとどろいた。
【アメリカ合衆国元国務省顧問 デビット・アッシャー氏】
「松村さんの偽札鑑別機は素晴らしく、アメリカにとって大きな貢献をしてくれました。今や彼は警察当局や財務省からも高い評価を得ているのです。」
【ナレーター】
1996年、アメリカは偽造防止のため68年ぶりに100ドル札を変更。しかし北朝鮮はその後も“SUPER M”(2000年)“SUPER X”(2002年)“SUPER Z”(2004年)“SUPER Z1”(2006年)と、より精巧なニセ札を製造。松村はそのわずかな違いを見破り、改良を続けている。北朝鮮と下町のエンジニアの戦いが今も続いているのだ。
【ニセ札鑑定士・松村喜秀さん】
「本当はなくなるべきだし、あっちゃいけないんですけども、永遠になくならないんで、永遠に僕とは付き合いが続くもの。『もう何が何でも見破ってやる!』っていう『その魂まで見破ってやる!』っていう、そういう気持ちがありますね。」
【ナレーター】
今年5月、松村は韓国へ飛び立った。「また新たなニセ札が出回っている」というウワサを聞きつけて―。
世界が絶賛した下町製・・・偽札鑑別機
【アナウンサー・滝川クリステルさん】(スタジオにて)
「はい、それではですね、こちらに松村さんが作った最新の偽札鑑別機を用意しました。」
【アナウンサー・安藤優子さん】(スタジオにて)
「意外に小さいものなんですねぇ。コンパクトなんですね。」
【アナウンサー・滝川クリステルさん】(スタジオにて)
「それでは早速、本物の100ドル札を通してみましょう。いきますね。もちろん本物ですから一瞬にして通りました。そしてこちらおもちゃの100ドル札を用意しました。いきますね。一瞬にしてはじいてくれるんですよ。」
【アナウンサー・安藤優子さん】(スタジオにて)
「しかし、人の、本当に日本の誇る匠の技っていうんですか、ああいうの。もう執念に執念をかけてこのニセ札の鑑別機を作っているわけですよね。」
【ゲスト】
「見ていると応援したくなりますよね。でもこれが永久に続くとどういうふうになるんですかね。ほとんど完璧なものができあがっちゃうと・・・怖いですね。」
【アナウンサー・安藤優子さん】(スタジオにて)
「ええそうですね。ただ櫻井さん、北朝鮮で作っているニセ札の進化のスピードというのはどんどん早くなっているそうです。」
【ジャーナリスト・櫻井よしこさん】(スタジオにて)
「もうあれは国家事業ですからね。国家事業の中でもまさに金正日体制は国運をかけてやっているわけですからね。でも彼はね、『魂まで見破ってやる!』と。あの気概をね、もう日本の外交官や政治家にも聞かせてやりたいと思いました。」
【アナウンサー・安藤優子さん】(スタジオにて)
「アメリカ財務省も2006年『北朝鮮が国家ぐるみでニセ札を製造している』と断定をしました。で、これまでに『およそ5000万ドル分のニセ札を世界中で押収した』と発表しているんですが、これはほんの本当に出回っている氷山の一角というふうに思われます。何しろ、北朝鮮の三大輸出物は“ニセ札”“覚せい剤”そして“ミサイル”と言われております。」
終わり
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*'07 1/14 TBS「報道特集」北朝鮮に異変 蝕まれる独裁体制(ニセ札)
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*'06 12/10 TBS「報道特集」“新型”偽100ドル札(1)〜(2)
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*'06 10/1 テレビ朝日「サンデープロジェクト」
北朝鮮ヤミ資金ルート(1)〜(2)
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*'06 3/5 TBS「報道特集」北朝鮮ニセ札疑惑(1)〜(3)
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