2007年05月13日

1/14 神奈川県民集会 三浦小太郎さん(人権活動家)

三浦小太郎さん.jpg

*写真はあおいのママの撮影です。

*1/14 神奈川県民集会レポートについてのお知らせ
http://aoinomama13.seesaa.net/article/31479029.html

*講演内容を文字化しました。聞き取りに間違いのある可能性もございます。どうぞご了承ください。(主催者よりレポートの許可をいただいております)

【司会者】
 続きまして、北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会事務局長である三浦小太郎さんにお話をしていただきます。三浦さんは評論家としても「月刊諸君」等に論文を多数発表されておられます。それではよろしくお願い致します。(拍手)

【三浦小太郎さん・人権活動家】
 まずこのよど号事件について、「これは他の拉致とは違う一面がある」と救う会神奈川の会長からお言葉がありましたけれども、これはハッキリ言ってですね、日本人が日本人をさらったという、この戦後日本にとって誠に恥ずべき事件です。もちろん北朝鮮が横田めぐみさんその他の方々を金正日政権がさらった事は憎むべき国家犯罪ですけれども、日本人を同じ日本人を彼らの言いなりになって拉致したというのは最も私たちにとって恥ずべき戦後の歴史です。これは私たちが忘れてはならないことですね。

 同時にこの問題にはもう一つ重要なポイントがありまして、日本人が日本人をさらった以上、本当は他の拉致事件よりも早く解決ができなければいけない事なんです。

 そして三つ目に、これは私たちが忘れるという事が許されない事ですが、この事件はこのさらわれた3人の方々が本当に勇気と、それから知恵を振り絞って、北朝鮮から日本に最も早い段階で自分たちの力で、もちろんポーランドの人の力を借りたかもしれませんけれども、自分たちの行動でこの拉致事件を自らがご家族に伝え日本国に救援を求めたという、この最も危険な所にある人たちが行動を起して日本国がそれに応えられなかったという事件なんです。今のところはまだ応えられていないんです。この三つのポイントというのは、よど号において絶対に忘れてはいけないんです。

 私は具体的な「こうすれば助けだせる」という事が頭に浮かんでいない人間なので、こういう場に果たして来て良かったのかどうか、それすらも迷っているんですけれども。

 おそらくヨーロッパでさらわれた人たちは、この3人だけでは絶対にないんです。これはかなりの証拠が、状況証拠的にはあるはずです。調査会だけではなくて私は警察はかなり掴んでいると思う。しかしその実行犯が、現実の実行犯がですよ、すでに日本にいるわけです。

 もちろんこの国は法治国家ですから、法律に従ってしか逮捕したり捜査したりはできないんですけども。私の幼稚な考えかもしれませんが、現実にいる魚本民子氏その他のですね、拉致実行犯の人たちは、本来ならば裁判の場や、もしくは国会の喚問の場に立たされなくてはならない人たちです。私は八尾恵さんに関して、私は一応この方は罪を自白されたので「さん」という言葉をつけます。この方が、私は果たしてどのようにこの起訴について考えたらいいのか、今でも自分の中でも結論は出ませんけれどもね。

 今、よど号犯は「有本さんの拉致は自分たちは知らなかった」と言っているわけなんです。そして「北朝鮮の工作員が拉致したんでしょう」という言い方をしている。北朝鮮の方は有本さんたちはよど号犯がさらったという事は、キム・ユーチョルと共にさらったという事は当然知っているわけですから、私は日朝交渉の場でこの事はもっと強く押し出されるべきだと思います。彼らの発言の色々な矛盾点に対して、私はまだ日本の外交はそれに対する追及と捜査が足りないのではないか、日本国内に今いる実行犯に対する追及も足りないのではないかと思います。

 これは意見の違う方もいると思いますが、帰って来られた被害者の方にですね、「もっと向こうの事を語って欲しい」っていうのは確かに一つの言い方です。しかし、被害者が語る前に加害者が徹底的に調べられ、加害者から情報を引き出されなくてはいけない。そして私たちが今すぐ金正日の独裁体制を倒すとか、そういう力がここにいる私たちにあるわけではないかもしれない。ただ、この金正日独裁体制を結果的に支持している日本の中の勢力を倒す事は、私たちの力でできなくちゃいけない。

 これから少しだけその話をさせていただきたいと思います。お聞き苦しいかと思いますが。これまで北朝鮮を支持してきた人、あるいは現在日朝国交回復交渉を拉致被害者の救出よりもやや重視する傾向の人たちの論理構造というのを、ちょっとだけ説明させてもらいたいと思います。

 作家で小田実(おだまこと)という方がいらっしゃいます。この方が70年代に北朝鮮に行き、よど号犯にも会っています。私はその時の本は未だに持っておりますけれども、そこで小田さんはよど号犯の方々について「彼らは非常に反省し、また、北朝鮮で政治的に成長している」と。何が成長したのか?わかりませんけれども、そういうふうに書いておられる。

 そして小田さんがそこで北に対してまったく間違った事を書いている事は、まぁそれは人間だから間違いだとしましょう、彼はそこでですね、「北朝鮮は何故すばらしいか」と。「一つには食糧を自給しているから」と。してないよ!っていう話なんですけれども。

 もう一つ、これは間違いだとしましょう。二つ目、非常に彼が褒めているのは、「北朝鮮は非同盟だ」と。「アメリカにもソ連にも属していない」、こう言うんですね。間違ったというより彼はそこにほれ込んでしまったわけです。まだ和田(春樹)という人が例えばお金をもらってきただとか、そういう単純なことならばまだわかりやすいんです。この人は「北朝鮮はアメリカにもソ連にも中国にもそれぞれ従わずに、非同盟の国々でまとまろうとしている、これが世界の新しい動きだ!」っていうふうに小田さんは、まぁ褒め称える。

 もう一つ、それから少し時代が後になります。よど号についてはもう皆さんも多くの本で学ばれたでしょうからここでは申しませんが、実はよど号とかなり接近し対話してきた中にはですね、左翼ばかりじゃないんです。日本の、まぁ私にも耳に痛い話なんですけども、日本の一部のニューライト・新右翼のグループ、ここも非常によど号に接近しています。もちろんそこにはある種のパフォーマンスもあったでしょう。マスコミにちょっとウケたいというのもあったかもしれない。しかし彼らがそこで言ったのは、彼らが言っているのは民族主義なんです。彼らは左翼から民主党の主義に変わって、民族の渦中にいるような。もうひとつは彼らは「反米愛国だ」と。これで一部のまぁニューライトの方々はかなりそこに惹かれていった。

 そしてまた少し時代がさがります。これはちょっと半分笑い話ですが、オウム真理教という新興団体が宗教団体がありまして、今でもあるにはあるんでしょうけど彼らの中で、もう皆さんお忘れでしょうけど1995年のサリン事件の直後です、○○さんと言ったかな、当時東京大学の方だったオウム信者の方がですね、若手の批評家の浅羽通明(あさばみちあき)さんという人と対談して、そこで浅羽さんが「そんなのあなたは色々と言うけれども、今の日本の大衆の多くは今の日本の経済体制を一応支持しているんだから、それを無理矢理オウムの理想に変えるというのは無理でしょう!」という意味のことを言ったのに対して、「いや例えば、金日成将軍が平壌にやって来てですね、一気に体制が変わって思想が国民の中で変わる事があるんですよ」と、そういう例を出す必要はまったくないわけです。何でわざわざ金日成の例を出したのかな?と。まぁそれは理由があるんでしょうけれども。

 彼らは、そしてそのオウムの思想の中の極めて強烈な部分というのは、もう今彼らはそんな事信じてないかもしれませんが、徹底した反米思想、政治的には。非常に幼稚なものですけれどもね、徹底した反米思想です。

 最後に、田中均さん始め日朝国交正常化に向けて日朝交渉をやろうとした方々。ただの利権目当ての人とかね、そういう人はまぁ良いとは言えませんが・・・、もしかしたら昨日(北朝鮮から)帰って来た人(山崎拓氏)もそうかもしれませんけれども。ただの利権目当ての人もいるでしょうが、いるでしょうけどもね、かなり例えば田中さんの書いている物を読むと、やっぱり「アメリカべったりの日本、アメリカだけの日本じゃなくて、もう少しアジアに軸足を移したい」と。アジア諸国、要するにこれは中国。中国・韓国なんですけども、「こちらの東アジアに軸足を移してあげたい、アメリカからの自立した外交がしたい」と。

 こういう人たちがそれなりの考えを持ってですね、朝鮮問題を自分たちなりにアメリカ主導ではなく解決しようと試みたと、それが田中均さんたちの外交です。ですから姜尚中(カン・サンジュ)さんて方がいて、ご存知の方もいると思いますが、この人今でも田中さんの事は非常に評価しています。「優れた外交官僚を政治が潰した」というふうに言っていますけれども。あの人にとってはそうかもしれませんけど、拉致被害者にとってはまったく逆でですね、あの流れが進んでいたら大変な事になっていました。

 このすべてに共通してある、新興宗教・右翼・外務官僚・左翼・啓蒙文化人、全部に共通してあるのがですね、非常に単純なかたちでの反米思想なんです。そしてそこから北朝鮮のような国を欠点を見ないで「とにかくアメリカ帝国主義に抵抗しているんだからちょっと甘く見よう」、そういう意識が生まれてくるんです。

 私はアメリカの政治の全部が良いとはまったく思わない。しかし私たちがですね、この別世界の歴史を見る時、やはりその国が小さな国かどうかとか、これまでの日本との関係がどうかというより、最も重要なのは、やはり今その国に民主主義が根付いているか、根付きつつあるか、これが友好関係を作れるかどうかの最も重要な事なんです。(拍手)

 そして民主主義というのはですね、まぁこういう事言うと今名前を挙げた人だいたいみんな言うんですよ、「民主主義というのは、まぁそれはアメリカの一方的な価値観であって・・・」。ハッキリ言ってですね、「アジア人に民主主義ができない」なんて言うのはそれは人種差別じゃないですか?そして明らかにそのアジアで民主主義が成功する、という例を世界に示したのが明治以降の私たちの先祖じゃないですか?

 明治時代の日本の日本国憲法というのは、戦後非常に歪められた評価をされましたけど、当時の世界では極めて精神的な民主憲法だと、そういったものを実現してこれたのが私たちの先祖の歴史です。そしてやはり先駆者というのは後継者に対して、後継者と言うのは悪い意味じゃない、色んな歴史の偶然があるから、そういった国に対して良き価値を伝えていくという任務があるはずなんです。

 私たちがこのアメリカに対して色々と批判をするのはいい。ただ世界に民主主義を広げていこうという基本的な考えにおいてはアメリカの思想は間違っていない。ただあまりにも行動に単純な行き過ぎがある。アジアではアジアなりのやり方がある。しかしそのアメリカの行動の単純さを批判する事から単純な反米主義にいって、北朝鮮や中国のようなですね、独裁政権までも肯定してしまうようなそういう流れが私はこの北朝鮮問題のかなり思想的な根本にあるような気がします。

 そして私たちは「この北朝鮮の独裁政権を倒せることができれば」という事ではなくて、もう倒さなければ拉致被害者全員を助け出すのは難しいかもしれない。もちろん地道な努力をしていかなくちゃいけませんけれども、やはり基本的には「もうあの政権は打倒対象だ」という知識を日本国政府が持ち、あの政権に協力し犯罪を行ってきたこの日本の中の個人や組織を克明に捜査し、場合によっては潰していく。

 「これが今大事だ」という意識を国民と政府が持つ事が取りあえずの、取りあえず、北朝鮮から勇気を持って1988年に私たちに「助けてください!日本国なら助けてくれるでしょう!!」と信じて手紙を送ってきた人たちに対しての、遅すぎる事ではありますがスタートになると思います。ありがとうございました。(大拍手)

【司会者】
 ありがとうございました。

*北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会
http://homepage1.nifty.com/northkorea/index.htm
posted by あおいのママ at 07:12| 千葉 | TrackBack(0) | '07 1/14 神奈川県民集会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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