2007年05月09日

4/29 TBS「報道特集」潜入!北朝鮮軍事パレード

*4/29TBS放送の「報道特集」の一部を文字化しました。放送は約25分間でした。

外国のカメラが締め出された朝鮮人民軍による軍事パレード。「おー、見える、見える」一人の日本人ジャーナリストが潜入した。そこで目にしたもの―。「こちらは核持っているから・・・」ナゾの男性が購入を迫る怪しげな箱の正体とは―。「あの、1億でも買う人もいるかもわからない・・・」一糸乱れぬマスゲームと驚異の空中サーカスを目撃。独占映像、北朝鮮軍事パレードとアリラン祭に潜入―。

金総書記・ミサイル・・・ 潜入!祭典のピョンヤン

【司会者・田丸美寿々さん】(スタジオにて)
 「さて、続いてはこちらです。先週の水曜日(4/25)ですが、北朝鮮は朝鮮人民軍創建75周年を記念する軍事パレードを実施しました。で、北朝鮮の労働新聞もこのように全紙面を使って軍事力を誇示しているわけなんですが、このパレード、外国のメディアが取材・撮影することは一切許されていませんで、送られて来たのは北朝鮮側が配信した映像だけでした。しかし、この軍事パレードに一人の日本人が潜入をして撮影をしていました。その独占映像です。」

潜入!軍事祭典のピョンヤン

【記者】
 「あっ、ここ、金日成広場ですか?」

【案内人】
 「はい、(金日成)広場です。」

【記者】
 「あー、すごいなぁ・・・。」

【ナレーター】
 平壌(ピョンヤン)の中心部。(4月14日)街は祝賀ムードに沸いていた。

【記者】
 「何でこんなに大勢いるの?」

【案内人】
 「これから(午後)7時半からあれあるじゃないですか、ダンスパーティー。」

【記者】
 「はいはい。練習が終わったところですか・・・。こんなに大勢いるんだ。」

【ナレーター】
 朝鮮人民軍創建75周年を記念する軍事パレードとアリラン祭の準備がすでに始まっていた。今回の軍事パレードは外国のメディアの撮影は許されていない。しかし、一人の日本人が軍事パレードに潜入、その撮影に成功した。報道写真家・片野田斉(かたのだ ひとし)氏。彼は今回で三度目の訪朝となる。

【記者】
 「いつも2人で何をしゃべっているの?」

【案内人】
 「ナイショ!」

【ナレーター】
 平壌滞在中は常に3人の北朝鮮のガイドに監視され、自由行動は一切許されなかったという。

【記者】
 「たぶん、私の悪口を言っているんじゃないの?」

【案内人】
 「あははは・・・、あー、バレちゃった。」

【ナレーター】
 さらに、彼らが移動に使用していた車は最新型の日本車。ボディには何故か“UNDP”(国連開発計画)の文字。道中、北朝鮮の実状を物語る光景を度々目撃した。例えば、丸裸にされた山々。その理由とは―。

 北朝鮮の古都・開城(ケソン)。(4月14日)そこでカメラがとらえたもの、大量の薪(まき)を背負う人々の姿だ。するとガイドは―。

【案内人】
 「カメラ回さないでください。」

【記者】
 「あれ、薪(たきぎ)なの?」

【案内人】
 「・・・」

【ナレーター】
 延々と線路の上を歩く人々の姿。深刻な国内事情が見てとれる。移動中の車内で北朝鮮のガイドは―。

【記者】
 「食料事情はどうなんですか?」

【案内人】
 「だんだん良くなりますよ。」

【記者】
 「だんだんと言うことは、まだ厳しい?」

【案内人】
 「厳しくはない。去年は豊作でした、稲とかね、お米が・・・。」

【記者】
 「エネルギーは?」

【案内人】
 「エネルギー事情は昔よりは良くなったんですけど、まだまだね・・・。だから今、水力発電所は主に、水がなかったら困るわけでしょ・・・。」

【記者】
 「水は絶対大事ですよ。」

【案内人】
 「だから、夏ならばいいけど、今の時期は(水不足で)ちょっと困るというか、そういう感じですよ・・・。」

【ナレーター】
 開城(ケソン)のライフラインの一部は停止しているという。川で洗い物をする女性たちをよく見かけた。

 一方、ここ金日成主席の生誕95周年を祝うアリラン祭。(4月15日)北朝鮮のパワーや統制力をアピールする。観客数およそ1万人・出演者数延べ10万人の世界最大規模の芸術公演だ。開始直前、カメラに気づいた会場係がガイドに詰め寄った。

【会場係の女性】
 「撮影はダメです。」

【案内人】
 「ビデオカメラは?写真は?」

【会場係の女性】
 「写真もビデオも絶対にダメです。」

【ナレーター】
 一部のメディア以外は、撮影は一切許されていない。恐る恐るカメラを回し続けた。一糸乱れぬマスゲームと高度な曲芸の数々。しかし、驚くのはまだ早かった・・・。

驚異!北朝鮮空中サーカス

【ナレーター】
 世界一と称される北朝鮮の空中サーカス。よく見ると彼らは命綱を付けていない。世界のサーカスに詳しい専門家に、空中サーカスの映像を見てもらった。

【記者】
 「どうなんですか?」

【NPO法人・国際サーカス村協会 西田敬一代表】
 「それはすごい・・・。ものすごい距離を飛んでいるからね。(平均的な)人間ロケットの場合、15メートルから17メートルくらいは飛んでいると思うんだけど、これ(北朝鮮の場合)はたぶん30メートルぐらいトータルでは飛んでいると思う。将軍様のためだか祖国のためかはわかりませんけど、何かそういう覚悟がないとできることではないと思いますね。」

【ナレーター】
 文字通り、命懸けで将軍様の誕生日を祝う北朝鮮の人々。国の現状をどう考えているのだろうか?翌日、車内で北朝鮮のガイドは誇らしげにこうも語った。

【案内人】
 「今はプライド持っていますよ。」

【記者】
 「前はちょっとなかった?」

【案内人】
「いやぁ、前はちょっとなかったというか、だからこちらも核を持っているから、今は1対1のそういう何か状態になっても結構大丈夫じゃないですか、やっぱり。」

【記者】
 「核開発して、実験上手くいったから勢づいているっていうのかな?」

【案内人】
 「ウフフフ・・・。」

【記者】
 「核開発に回すお金があったら、食べられない人に回した方がいいんじゃないかってみんな言っているけど?」

【案内人】
 「国がなかったら生きたって意味がないじゃないですか?」

北朝鮮女性と謎の案内人

【ナレーター】
 そしてお決まりの板門店への訪問。(4月16日)軍事境界線の向こう側は韓国の領土だ。土産物屋で働く女性たちが話しかけてきた。

♪好きにならずにいられない♪(エルビス・プレスリーの曲を流す)

【記者】
 「どうですか、これ?」

【北朝鮮の女性】
 「気に入りました。」

【ナレーター】
 どうやら西洋音楽に興味があるらしい。

【記者】
 「何歳ですか?」

【北朝鮮の女性】
 「22歳。歳はいくつですか?」(日本語で話す)

【記者】
 「あー、私?私はたくさんです。」

【北朝鮮の女性】
 「そんなに年上には見えないわ。」

【ナレーター】
 試みにある曲を彼女たちに聴かせた。(♪冬のソナタを流す)

【記者】
 「これ聴いたことない?」

【ナレーター】
 お隣、韓国の人気ソングだ。ところが・・・。

【案内人】
 「この曲はどう?」

【北朝鮮の女性たち】
 「嫌だ、どうしよう・・・。」「北朝鮮の歌が最高です。」

【ナレーター】
 気まずい空気。話題を変え、女性の胸についた金日成バッジについて尋ねた。

【記者】
 「皆さん、バッジしているんだね。」

【北朝鮮の女性たち】
 「私たちの領袖様、何で近くで撮るの?」「この男、用心しなさい。」

【ナレーター】
 これも失敗。愛想をつかしたのか彼女たちはその場を立ち去った。北朝鮮の実情に詳しい宮塚利雄教授は、「彼女たちが韓国の人気ソングを知らないはずはない」と言う。

【山梨学院大学・宮塚利雄教授】
 「彼女たちだって、韓国が自分の国よりすごいということは知っているわけですね。ただし、こういう外国人の前ではですね、『韓国の歌はいいですね』なんて言ったとたんに、彼女たちの運命は変わってきてしまうわけですね。『お前、何であんなこと言ったんだ』と『考え方おかしいんじゃないか』ということになるわけですけども。」

驚愕の北朝鮮骨董品

【ナレーター】
 金日成広場にある朝鮮中央歴史博物館を訪れた時だった。ここで意外な人物が声をかけてきた。(平壌 4月15日)博物館の副館長を名乗る男。「ある骨董品を売りたい」と言う。それがこの竹でできた籠。平壌市内の遺跡から出土した貴重な一品らしい。

【記者】
 「えっ?これは・・・ちょっと待ってください。もう一度要約すると、いつ頃のものだとさっきおっしゃっていましたっけ?」

【案内人】
 「紀元前2世紀、中国の漢の時。」

【記者】
 「中国の漢時代?だいたい推定何千万円単位なんですか?」

【案内人】
 「イギリスの人は・・・75万ドルの提案をしました。」

【ナレーター】
 日本円で何とおよそ9000万円!果たして本物なのだろうか?写真を10枚ほど撮影した。帰国後、中国古美術に詳しい専門家に籠の写真を見せると、驚くべき答えが返ってきた・・・。

【中国古美術商・太田昭彦氏】
 「すべてが上手(最高級)と私たちが言っているんですけれども、高級品ですよね。なかなかないですよ、これだけのものは。(中国の)戦国時代から前漢時代、間違いなくこれは。だいたい紀元前2世紀〜1世紀の間ですね。だから2200年くらい前のものです。」

【ナレーター】
 中国前漢の時代、時の豪族が宝箱として使用していたと見られるという。一体、どれほどの価値があるのだろうか?

【中国古美術商・太田昭彦氏】
 「あの、これだけの価値のあるものであれば、やっぱりその売りたい人が7000万円・8000万円って言って、買いたい人もそれで納得するというものですよ、もの自体は。1億でも買う人もいるかもわからない。いいものですよ、すごく。」

【ナレーター】
 そもそも何故、朝鮮中央歴史博物館が所蔵する貴重な骨董品を手放そうとしたのだろうか?そこには、北朝鮮の深刻な経済事情がみてとれるという。

【山梨学院大学・宮塚利雄教授】
 「すべてが国のものですからね、ということは、ここの副館長がこれを売り出すということはイコール国の事情だと思いますね。ですから国がね、認めたと。ある意味によっては外貨を稼ぐということなんだと思いますね。」

案内人が語る北朝鮮美人

【ナレーター】
 平壌には何故か美人が多い。美人にまつわるこんなことわざがあるという。

【案内人】
 「日本のことわざですか?あれ、京女東男?」

【記者】
 「東男に京女。」

【案内人】
 「それよりね、北は女(が良い)南は男(が良い)と、こういうふうになっているわけです。」

【記者】
 「じゃあ北の男はダメだってこと?」

【案内人】
 「あははは・・・。」

【記者】
 「金さん(案内人)はどうなんですか?」

【案内人】
 「私はもうダメですね・・・。」

ミサイル・核・拉致・・・北の主張

【ナレーター】
 北朝鮮の誇るある技術の展示会場を訪れた。(三大革命展示館・平壌 4月15日)人工衛星の打ち上げが目的だと主張するロケットの技術。説明には日本も登場する。(映像 光星号1号)VTRで紹介されたシミュレーションでは、北朝鮮のロケットは日本列島を飛び越え、太平洋に落下した。(距離1646km・緯度40℃13’・経度149度07’)

 北朝鮮の核と拉致の問題についてガイドに質した。

【記者】
 「アメリカ攻めてきたらどうする?」

【案内人】
 「こちらは核の抑止力を持っていますから、フフフ・・・。でも、アメリカが自慢するのは・・・迎撃ミサイル持ってるから、フフフ・・・。」

【記者】
 「拉致問題、あれは?」

【案内人】
 「だから拉致問題はもう2000年に小泉さんがこちらに来て全部解決されたんじゃないですか。」

【記者】
 「解決してないよ、日本では・・・。」

【案内人】
 「だから、その拉致問題について何か日本側がああだこうだ言ったら、こちらはもう昔のことまた言わないといけないじゃないですか。植民地時代の強制連行ですか、あれ?」

【記者】
 「拉致問題は解決済みと?」

【案内人】
 「だから平壌宣言にはっきりと書いてあるじゃないですか。」

【記者】
 「最初は認めなかったでしょ?拉致なんてありえないって。その後、認めたんだよね。」

【案内人】
 「・・・」

【ナレーター】
 ガイドは記者の問いに無言のまま遠くを見つめた―。

潜入!軍事祭典のピョンヤン

【ナレーター】
 夜の平壌で慶祝舞踏会が開催された。(平壌 4月16日)出演者はおよそ1万人。そこで垣間見た北朝鮮の人々の素顔。軍の関係者が見守る中、子どもたちが北朝鮮の民族舞踊を演じた。彼女たちの表情に寄って見る。終盤になるとさすがに疲れた表情を見せる子どもたち。よく見ると、彼女たちの足元に薄っすらと印(しるし)。

 いよいよ、朝鮮人民軍創建75周年を記念する軍事パレード当日の朝。(平壌 4月25日)

【報道写真家・片野田斉(かたのだ ひとし)氏】
 「昨日の夜『軍事パレードには参加できません、見学できません』と言われ、ホテルの一帯もう全部道路は封鎖されるということで、見れるかどうか非常に厳しい状態になってきました。」

【ナレーター】
 そして、恐れていたことが現実に起きた。

【記者】
 「ホテルの方に回ろうと思ったけど、ずいぶん遠くから遮断しているわけですね。」

【案内人】
 「そうです・・・。」

【記者】
 「見えない?」

【案内人】
 「見えないところまで遮断している・・・。」

【記者】
 「まずいな、それ。どこまで遮断しているのかって、事前にわからない?」

【案内人】
 「わからないです・・・。」

【記者】
 「本当に・・・?」

【ナレーター】
 平壌市内は道路が封鎖され、予定していた撮影ポイントに辿り着けない。

【記者】
 「おー、見える、見える。あー、でも一瞬だなぁ・・・。」

【ナレーター】
 橋の下を軍用車らしき車列が次々と通過して行く。

【案内人】
 「一応ここで撮影はやめていただけませんか?」

【記者】
 「(カメラは)持って行く。」

【ナレーター】
 見えた。パレードのある通りまでおよそ500メートル。もっと近づくしかない。

【記者】
 「もうちょっと近づいちゃダメ?」

【案内人】
 「問題になりますよ。」

【記者】
 「もうちょっとダメ?もうちょっと、もうちょっと・・・。」

【ナレーター】
 そしてついに朝鮮人民軍の車列をカメラがとらえた。観衆の大歓声に兵士たちも手を振って応える。興奮した片野田(かたのだ)氏は思わず口走った。

【報道写真家・片野田斉(かたのだ ひとし)氏】
 「ミサイルはないの?テポドンとかノドンはないの?」

【ナレーター】
 兼ねてから噂のあった新型ミサイルは果たして見ることができるのだろうか?―と、その時・・・。

【案内人】
 「ビデオはやめなさいよ。撮りすぎですよ・・・。」

【記者】
 「今回は兵器はないの?」

【案内人】
 「兵器はないですね・・・。」

【ナレーター】
 ミサイル部隊は見ることができなかった。やがてパレードは幕を閉じた。

 その日の夜、夕食に立ち寄ったレストランで軍事パレードの様子が放映されていた。そこに映し出されたのは、15年ぶりに公開されたミサイル部隊の映像。

【記者】
 「これテポドンですか?テレビを見ていると悔しい・・・。」

【ナレーター】
 さらに金正日総書記の姿も。ガイドの話では「ミサイルを含めた兵器類は一切登場しなかったはずだが・・・」。

【記者】
 「宋(ソン)さん、何か一言ない?」(カメラを向けて)

【案内人】
 「今までお疲れさまでした・・・。」

金主席閲兵 ミサイルは新型か?

【司会者・田丸美寿々さん】(スタジオにて)
 「さて、気になる北朝鮮のミサイルですが、昨日付けの韓国の朝鮮日報(4/28)では、アメリカの偵察衛星などを分析した結果として、軍事パレードでは新型の中距離弾道ミサイルを公開した可能性があり、その射程は2500〜4000キロメートル、公開した狙いは、核弾頭の運搬手段を持っているということを誇示するため、だというふうに分析しています。

 それにしても、外国メディアの撮影を一切許さず、情報を一方的に操作しようとする意図が見えてくるわけなんですが、ガイドたちも実は片野田(かたのだ)さんを、軍事パレードの日は遠く離れた避暑地に連れ出そうとしたふしもあるようです。

 それにしても、博物館の竹籠(たけかご)なんですが、紀元前の中国の貴重な骨董品、まぁ国の財産なんですが、これを一来訪者に担当者が売ってしまおう、などというのは一体どういうことなんでしょうか?いくら外貨欲しさとはいえ、ちょっと驚いてしまいます。」

(ディレクター 針谷勉さん)

終わり

*皆さん、最後まで読んでくださってありがとうございました。(*^^*)/~~
posted by あおいのママ at 12:09| 千葉 霧 | TrackBack(0) | 報道番組テキスト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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