2007年02月07日

'06 12/17 TBS「報道特集」(1)北を揺るがす“風船メッセージ”

*'06 12/17TBS放送の「報道特集」を文字化しました。写真はあおいのママとパパが各所で撮影したものです。

「核兵器廃棄の理由はない」いよいよ始まる6か国協議。北朝鮮国内では動揺が。「俺たちの商売を邪魔するな」さらに韓国からあるメッセージが放たれた。拉致問題はどうなるのか?6か国協議、その行方―。

意外な進展も?明日6か国協議

【司会者・田丸美寿々さん】(スタジオにて)
 「こんばんは、報道特集です。1年余りの空白を経て、今ようやく再開の運びとなりました6か国協議。大まかな構図としましては、北朝鮮の核の放棄を迫るアメリカと、金融制裁の解除を求める北朝鮮の対決、だと言えそうですが、そうした中で日本が拉致問題をどれだけ議論に乗せる事ができるか?外交手腕の問われるところです。

 こうした国同士の議論が展開される一方、切なる思いを込めました草の根の動きも活発になってきています。」

北を揺るがす“風船メッセージ”

【ナレーター】
 南北境界線に近い韓国・江華島(カンファド)。教会の前にオレンジ色の風船を手にした人々が集まっていた。

 「では、みんなで一緒にお祈りしましょう。神様、恐怖の土地で自由を求める事ができない人々のために、神の御言葉を風に乗せて飛ばします。アーメン。」

 “恐怖の土地”とは北朝鮮の事。風船を北朝鮮に向けて飛ばすのだ。

 「1、2、3、で飛ばしますよ、1、2、3!」「わぁー!!」(歓声と拍手)

 空に放たれた風船。それぞれにメッセージが書かれたビニールが付けられていた。

(メッセージ1)
 「愛する北の皆様。皆さんが天国のように思っている中国に比べて、韓国の月給は10倍で、およそ2,000ドル(約23万円)です。金正日が登場して、人民の生活が一度でも良くなった事がありますか?」

 そしてこんな言葉も・・・。

(メッセージ2)
 「将軍様は、人民と一緒におかゆを召し上がっていると言いますが、おかゆを食べてどうしてお腹が出ていて、二重あごになるのでしょうか?」

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 ビニールに書かれたこれらのメッセージは、雨にぬれても破れないという。

 この運動を行っているのは、韓国のNGO代表イ・ミンボク氏。北朝鮮の科学院に勤務する研究者だった人物だ。90年に脱北、いったん北朝鮮に送り返されたものの、95年に再び韓国へ逃れたという。イ氏は北朝鮮の市民に「自分たちの置かれている現状を認識して欲しい」とメッセージを送り続けている。

【韓国のNGO代表イ・ミンボク氏】
 「北朝鮮の市民は目と耳をふさがれ、どこへも行けません。私は金正日政権が憎いというよりも、市民がかわいそうでこの運動を始めました。」

【ナレーター】
 送るのはメッセージだけではない。大きな透明の風船。つながれているビニール袋には、薬品や絆創膏・ストッキングなどが詰められている。

 「1、2、3!」「わぁー!!」(歓声と拍手)

 風に乗せて救援物資も送っている。3年前から始めた運動。すでに数十回、南北境界線近くから風船を飛ばしている。レーダーにも反応しない風船は、原始的とはいえ、確実に北朝鮮まで届いているとイ氏は話す。

【韓国のNGO代表イ・ミンボク氏】
 「中国にやって来る北朝鮮の人がいるんですが、そういう人からビラの話をよく聞きます。興味深い話としては、『北朝鮮当局が韓国当局に風船を送らないで欲しいと10回も抗議した』と言うんです。」

【ナレーター】
 「風船が平壌まで届き、金総書記が激怒した」という話もある。今後はメッセージに金正日・金日成親子の写真を貼る事も検討している。拾った北朝鮮市民が破ったり捨てたりできないようにするためだ。

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*'06 12/10 映像とシンポで語る北朝鮮 李ミンボクさん
http://aoinomama13.seesaa.net/article/32638352.html

 韓国国内で行われる北朝鮮に揺さぶりをかける市民運動。そして北朝鮮国内にはある変化が表れた。

“核”への批判 北内部からも

【ナレーター】
 関西大学の李英和(リ・ヨンファ)教授は先月、北朝鮮国内に持つ独自のネットワークを使ってインタビュー調査を実施したという。あらゆる階層の数十人に対し秘密裏に行われたというこの調査。その結果、「北朝鮮内部にはあの核実験についても批判が渦巻いているという事がわかった」という。

【関西大学・李英和(リ・ヨンファ)教授】
 「北朝鮮国民のだいたい7割は核実験の成功を全然歓迎していない。その中の30パーセントくらいは『核実験なんかやったら経済制裁受けるじゃないか。俺たちの商売を邪魔するな!何て事するんだ!!』という批判派が含まれています。」

【ナレーター】
 李教授によれば、貿易に携わる軍の経済部門からも「核実験が経済に悪影響を及ぼしたとの批判の声が上がっている」という。

“6か国”再開 北のある事情

【ナレーター】
 明日から再開される6か国協議に向け昨日('06 12月16日)北京入りした北朝鮮の金桂冠(キム・ゲグァン)外務次官。

【北朝鮮・金桂冠(キム・ゲグァン)外務次官】
 「米国が政策を変えることです。今は核兵器廃棄の理由がありません。」

【ナレーター】
 その強気とは裏腹に、「北朝鮮は協議再開に応じざるを得なかった」と指摘する人々がいる。その一人が脱北した北朝鮮の元工作員パン・ミンチョル氏。

【北朝鮮元工作員パン・ミンチョル氏】
 「企業は輸出利益の30%程度を金正日あてに献金しているそうです。その30%のうち1%程度が将軍様から輸出している企業に、テレビなどの形で与えられているようです。」

【ナレーター】
 「経済制裁によって貿易が滞り、結果、金正日総書記の影響力も低下する」というのだ。さらに北朝鮮の強制収容所に入れられたあと脱北し、その後、韓国朝鮮日報の記者として働く姜哲煥(カン・チョルファン)氏は「金融制裁の効果が表れている」と話す。

【姜哲煥(カン・チョルファン)氏】
 「アメリカ政府の北朝鮮に対する強い圧力、麻薬や偽札製造に対する金融制裁が、北朝鮮には耐えられない程になっているのです。」

【ナレーター】
 外部からの制裁だけではない。「北朝鮮の内部事情が6か国協議に応じさせた」との分析もある。

【関西大学・李英和(リ・ヨンファ)教授】
 「18歳人口の激減期を北朝鮮は来年から迎えるんですよね。その理由は、90年代後半に起こった大飢饉です。300万人の餓死者が出ましたけれども、そのうちの40%は当時10歳以下の子どもたちでしたから。その世代がすっかり失われている・・・。」

【ナレーター】
 当時、10歳以下で死亡した子どもたちは、兵役についたり労働力となる18歳を来年以降迎えるはずだった。李教授によると、その世代の人口の圧倒的な不足は今後10年は続く。6か国協議の再開に応じ、経済制裁の解除を引き出さなくては来年以降は乗り切れない。「北朝鮮は海外からの制裁のみならず、国内にも大きな問題を抱えている」という。

 そして12月のこの時期に、6か国協議の再開に応じたのは何故なのか?

元日に政策転換表明!?

【ナレーター】
 それは元日恒例の―。「今日、我々の革命は・・・」

 12月のこの時期に北朝鮮が6か国協議の再開に応じた理由の一つは―。

【関西大学・李英和(リ・ヨンファ)教授】
 「1月1日に“3者共同社説”、新年の辞が発表されますよね。軟化するにせよ6者協議で、あるいは決裂するにせよ、方向性が定まらないと原稿が書けないですよね。」

【ナレーター】
 毎年1月1日に発表される北朝鮮の“施政方針”。発表まで残された時間はわずかだ。ここ数年の内容は?というと・・・。

 「今日、我々の革命は偉大な先軍思想を指針として―。」(2004年)
 「敬愛なる金正日同志の指導の下、先軍の威力で民族の尊厳を高くとどろかせ―。」(2005年)

 すべてに軍を優先させる先軍政治。ここ数年その言葉は必ず強調されてきた。そして今年の1月1日には・・。

 「2006年は先軍革命の誇らしい勝利と成果に基づき、社会主義強盛大国建設で一大飛躍を起こしていく全面的攻勢の年である―。」

 ミサイル発射に核実験。「新年の全面的攻勢」という言葉通り、今年の北朝鮮は先軍政治を強力に推し進めた。しかし、今回の6か国協議の結果次第では、来年1月1日に明かされる施政方針で、北朝鮮の政策転換が示されるのではないか、李教授はそうみている。

“核で軟着陸” 日本は?

【関西大学・李英和(リ・ヨンファ)教授】
 「核問題の基本的解決、別の言葉で言えば軟着陸という事になるんですけどもね。北朝鮮が一定の期限付きで、自衛用の核を保有するという折衷案、“期限付き核武装”というのが可能性が高いのではと思います。」

【ナレーター】
 全面的な核開発の継続については北朝鮮側が断念、核の限定的な保有についてはアメリカが認めるという折衷案。そうした案で「今回、アメリカ・北朝鮮・中国が妥協する可能性もある」と李教授は話す。

 もし核保有が限定的にでも認められてしまうと日本は・・・。拉致問題も抱え非常に厳しい立場に立たされることになる。

6か国協議 拉致問題の行方

【ナレーター】
 自衛隊朝霞駐屯地の一角にあるホール。(埼玉・朝霞市)

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*陸上自衛隊広報センター
http://www.eae.jgsdf.go.jp/prcenter/index.html

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 「すべての拉致被害者を必ず助け出します!」(参加者全員で)

 北朝鮮へ向けて拉致被害者家族らのメッセージを送っているラジオ放送「しおかぜ」。その公開録音が昨日(12月16日)行われた。

【横田めぐみさんの父・滋さん】
 「北朝鮮で暮らしている日本人の皆さん、皆さま方の帰国を日本中の人が待っています。」

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【ナレーター】
 横田めぐみさんの父・滋さんらが北朝鮮へ向けてのメッセージを読み上げた。「しおかぜ」を主催する特定失踪者問題調査会の荒木代表。ラジオ放送に加え、韓国のイ・ミンボク氏らが行っている風船を飛ばす運動へも参加を予定している。

【特定失踪者問題調査会・荒木和博代表】
 「相当効果があると。やはりラジオを聴けない人でも情報を得られるという事で、イ・ミンボクさんともお話をしまして、日本語のビラを作ってですね、送ろうと―。」

【ナレーター】
 草の根的な運動では広がりを見せる北朝鮮への働きかけ。荒木代表は6か国協議についてこう話す。

【特定失踪者問題調査会・荒木和博代表】
 「私もこの6者協議の中で、(拉致)問題が解決できるというのは非常に難しいと思っています。ただ、この6者協議をやる事で、北朝鮮を国際舞台に引っ張り出す、そして追い詰める、という効果はあるのではないか―。」

*横浜街頭活動としおかぜの韻(ひびき)
http://aoinomama13.seesaa.net/article/29777159.html

協議再開でも拉致問題は?・・・

【司会者・田丸美寿々さん】(スタジオにて)
 「北朝鮮が自らが核保有国である事を協調し『核を放棄する理由は何もない』といった強い態度で臨むと思われます今回の6か国協議、北朝鮮の譲歩を引き出すのはかなり難しいとの観測もあります。そうした核をめぐる厳しい議論が予想される中で、日本が拉致問題、あるいは人権問題、これは本格的に採り上げさせられるといった可能性は薄いのかもしれません。しかし、これは日本にとっては大変重要な問題。続いてはこの点にスポットをあてます。」

(2)に続く

*'06 12/17 TBS「報道特集」(2)北朝鮮に発信 帰還事業の真実
http://aoinomama13.seesaa.net/article/33130475.html
posted by あおいのママ at 09:35| 千葉 晴れ | TrackBack(0) | 報道番組テキスト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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