*写真はこの番組の取材を受けた際に同行した救う会神奈川会長の川添さんが撮影したものです。フジテレビの記者がジャーナリストの高沢皓司さんにインタビューしているところです。
*9/10フジテレビ放送の「特命取材班・報道A」を文字化しました。
*9/10 フジテレビ「特命取材班・報道A」(1)独裁国家の孤立と暴走
http://aoinomama13.seesaa.net/article/23591855.html
続き
取材班がスイスで遭遇 北朝鮮の不可解な活動
【ナレーター】
永世中立国スイス。金正日総書記の息子たちもこの国の学校に通うなど北朝鮮は深い関わりを持つ。ここには北朝鮮のどのような拠点があるのか?朝鮮中央テレビの過去の放送を丹念にチェックした。すると・・・。
【朝鮮中央テレビ】
「偉大なる首領金日成同志の逝去11回忌に際し、スイスのローザンヌ・ピョンヤン文化交流センターで1日と2日、回顧の集い及び映画館鑑賞会が行われました。」
【ナレーター】
スイス・ローザンヌに北朝鮮の文化交流センターがあるらしい。スイス西部にあるローザンヌ市。人口12万人。レマン湖をのぞむ歴史のある古い静かな街だ。まず向ったのは登記所。
【登記所職員】
「所有者というより借主としての登録になっていますね」
【ナレーター】
たしかに存在するようだ。教えられた場所に向う。ピョンヤン文化交流センターは薬局とパン屋が並ぶこの建物の奥にあるはずだが・・・。
【取材者】
「これだ!」
【ナレーター】
教えられた住所にあったのは、何の変哲もない3階建てのアパートだった。とても文化交流センターという雰囲気ではない。
【取材者】
「洗濯物のにおいがしますね。普通の生活空間ですよね・・・。」
【ナレーター】
中もいたって普通のアパート。建物の中を1軒1軒見てみるが、それらしい表札はない。
【取材者】
「日本のテレビ局なんですが、ピョンヤン文化交流センターを探しています。この住所であっていますよね?」
【アパートの住民】
「ええ、あっていますよ。でも知らないなぁ・・・?」
北朝鮮パーティーの怪 謎の勧誘活動を全追跡
【ナレーター】
センターのことを住民たちは「見たことも聞いたこともない」と言う。しかし、登録されている住所はたしかにここだ。ホテルに帰って調べてみると、インターネットの電話帳に登録されていた。ピョンヤン文化交流センターは旅行代理店として登録されていた。その電話番号にかけてみると―。
【取材者】
「ピョンヤン文化交流センターで間違いないですか?」
【ピョンヤン文化交流センター】
「はい」
【取材者】
「スイスからピョンヤンへのツアーとかあるんですか?」
【ピョンヤン文化交流センター】
「旅行はあります。でもジュネーブにある北朝鮮の大使館に直接連絡しないといけません。ビザの発給はそこでやっているので。」
【ナレーター】
電話の相手は、まず北朝鮮大使館に連絡をとることを強く勧めてくる。
【取材者】
「旅行のパンフレットなどはありますか?私はローザンヌにいるので。」
【ピョンヤン文化交流センター】
「あなたはローザンヌにいるんですか?」
【取材者】
「はい」
【ピョンヤン文化交流センター】
「あなたはローザンヌにいるんですね?」
【取材者】
「はい」
【ナレーター】
ローザンヌにいるということを繰り返し確認すると、先方はとても丁寧にこう尋ねてきた。
【ピョンヤン文化交流センター】
「明日土曜日にベルンの近くにある北朝鮮大使館に来られませんか?」
【取材者】
「ベルンですね?」
【ピョンヤン文化交流センター】
「明日5時に来られますか?」
【ナレーター】
「翌日大使館でパーティーがあるので来ないか?」と言う。こちらが少し戸惑っているとさらにたたみ掛けてきた。
【ピョンヤン文化交流センター】
「大使館とコンタクトをとるチャンスですよ。悪くないと思いますよ。薬局がありその隣にパン屋があります。そこで午後3時に待ち合わせて一緒に行きましょう!」
【ナレーター】
こちらの身分も確かめないまま、待ち合わせの場所と時間まで指定してきた。その場所とはあのアパートの手前にあった薬局とパン屋の前だ。
【取材者】
「お名前は?」
【ピョンヤン文化交流センター】
「カルブフェスです」
【ナレーター】
その苗字はたしかにセンターの住所のあるアパートの郵便受けにあった。電話の相手はあのアパートの住人なのか?とても実態があるように思えなかったピョンヤン文化交流センター。しかし、そこにいるらしき人物は突然次の日の北朝鮮大使館のパーティーに誘ってきた。こちらの身分も国籍も、名前すら尋ねずに・・・。
本当にこの電話の主は約束の場所に現れるのだろうか?取材班は次の日、約束の3時に現場に行ってみることにした。果たして―。
しばらく観察していると、薬局とパン屋の間にたしかに一人の男が立っていた。男は落ち着かない様子であたりをウロウロしている。本当にこの男が前の日の電話の相手なのだろうか?確かめるため、男に近づくことにした。女性記者が待ち合わせ場所に到着すると、男は建物の陰に隠れ品定めをするように様子をうかがう。女性記者が何度も教えられた携帯電話に電話をするが、決して電話には出ようとはしない。
今度は自分から女性記者に近づきすれ違った。そして再び物陰に隠れてしまう。明らかに前夜の電話で待ち合わせた人物かどうか確認しているようだ。しかし・・・。女性記者が現場から少し離れると、男は物陰から出て止まっていた車に近寄った。運転席にいたのはアジア人。北朝鮮人なのだろうか?
車のナンバーの左端には、外交官車両を意味する記号“CD”が見える。北朝鮮大使館の車なのか?大使館のあるベルンの方向へ。しかし10分後、突然高速を降りた。湖のほとりの小さな町で向った先は―。
【取材者】
「駅がある。ちょっとみんな低くなってください。彼らは駅に来て誰かを探しに来ているようです。」
【ナレーター】
一行は車を降り、この町の駅に誰かを迎えに行ったらしい。数分後、アジア人の運転手と先ほどのサングラスの男に連れられて、緑色のセーターを着た小柄なアジア人の女性と背の高い若い白人の男性の姿が現れた。満面の笑顔。二人とも楽しげだ。一体、二人はどういう経緯で、こんな小さな町の駅で待ち合わせをしてこの車に乗り込むことになったのだろうか?やはり電話がきっかけだったのだろうか?新たに2人を乗せて車は一路ベルンへ。
【取材者】
「中に入りました。これです。この左のドアです。ここに入りました。」
【ナレーター】
そしてたしかにベルン郊外にある北朝鮮大使館に入って行ったのだ。この北朝鮮大使館で今夜本当にパーティーが開かれるのか?我々は大使館を直撃した。
【取材者】
「日本のテレビ局です。今夜パーティーがあると聞いたのですが?」
【北朝鮮大使館】
「閉まっている・・・」
【取材者】
「今夜パーティーがあるって聞いたんですが?」
【北朝鮮大使館】
「パーティーはないよ」
【取材者】
「パーティーは行われないの?」
【北朝鮮大使館】
「何もないよ」
【取材者】
「ローザンヌから人が来ているでしょう?」
【北朝鮮大使館】
「誰もいない。閉まっている。」
【ナレーター】
「パーティーはなく、誰も来ていない」と言い張る。しかし一行を乗せて来た車はたしかに敷地内に止まっている。一体、この一連の不可解な出来事は何を意味しているのだろうか?特定失踪者問題調査会の荒木代表に意見を求めた。
【特定失踪者問題調査会・荒木和博代表】
「まぁ、パーティーでないことだけは間違いないですよね。ただその、本人たちがある程度それをわかった上で行ったのか?あるいはまったくわからないで騙されて連れて行ったのか?というのは、そこはちょっと断言しにくいけども・・・。スイスで誰かいなくなったとしてね、『ああ、この人いなくなった。これは北朝鮮に拉致されたんだ!』なんて絶対に思わないですよね。何か不正な目的で(若い男女を)連れて行ったんだろう、とだいたい想像はつきますよね。」
【ナレーター】
たしかに日本の失踪者リストにはスイス・ツェルマットで失踪した佐藤順子さんがおり、北朝鮮の拉致が疑われている。
*特定失踪者「佐藤順子」さん 平成12(2000)年7月失踪
調査会リストより
http://chosa-kai.jp/cgi-bin/address/list3.cgi?word3=178&mode=search3
【特定失踪者問題調査会・荒木和博代表】
「これ1回だけやっていたってことは絶対にありえないから。当然他にも同じように何回も何回もやっているだろうし・・・。」
【ナレーター】
その言葉を受け、ピョンヤン文化交流センターにもう一度電話してみた。
【取材者】
「もしもし、ピョンヤン文化交流センターですか?一週間ローザンヌで過ごすんですが、そちらではどんなことをやっていますか?」
【ピョンヤン文化交流センター】
「もしよろしければ、9月6日にジュネーブでレセプションパーティーがあるんです、6時半に。色んな人に会えますよ!」
【ナレーター】
何と、またパーティーに誘われたのだ・・・。ピョンヤン文化交流センターが何かの理由で「外国人を集めようとしている」のは間違いないようだ。
「北朝鮮から拉致指令を受けたことがある」という元日本人工作員はこんな証言をしている。
【元北朝鮮工作員・坂本氏(仮名)】
「(拉致の拠点は)スイスが多いんじゃないですかね。大使館の車で国境を越えてモスクワまで行って、モスクワから飛行機で直行とか、そういうケースが多いですね。よく言うよど号の彼らもそういう手を使ったと聞いています。」
【ナレーター】
そのよど号ハイジャック事件の首謀者の親友で、拉致を実行した妻たちからその全容を聞き出した高沢皓司氏が驚くべき実態を発した。
【高沢皓司氏・ジャーナリスト】(よど号メンバーから直接取材)
「そうなんだよ。“第二の拉致ルート”なんだよ、それは。」
【ナレーター】
“第二の拉致ルート”とは一体・・・?
【高沢皓司氏・ジャーナリスト】
「“第二の拉致ルート”なんだよ。それをあなた方は発掘したわけだ。ヨーロッパを中心にした“拉致ルート”っていうのは二つあってですね・・・」
【ナレーター】
拉致被害者の有本恵子さん・石岡亨さん・松木薫さん等が連れ去られたとみられているのがオーストリアのウィーン、クロアチアのザグレブを拠点とする拉致ルート。一方、“第二の拉致ルート”はスイスと深く関わっているという。
【高沢皓司氏・ジャーナリスト】
「(スイスは)入国しやすいんじゃないか。中立国(スイス)っていうのは、そういうふうに利用されるんだよ。東欧にすぐ抜けられる。東欧からは朝鮮民航の飛行機が飛んでいます。それでモスクワにも抜けられます。これがいわゆるヨーロッパを舞台にした二つの拉致ルートの二番目のルートです。今回、その二番目のルートっていうのは初めて明らかにされるルートです。」
*下記の裁判においてよど号犯妻がスイスに滞在したことや、高沢皓司さんに会ったことなどを話しています。
↓ ↓ ↓
*'05 2/24 「よど号犯妻」第三回公判 傍聴記録(2)
http://aoinomama13.seesaa.net/article/4188157.html
*'05 2/24 「よど号犯妻」第三回公判 傍聴記録(3)
http://aoinomama13.seesaa.net/article/4199411.html
*'05 2/24 「よど号犯妻」第三回公判 傍聴記録(4)
http://aoinomama13.seesaa.net/article/4203840.html
【ナレーター】
「報道A会議室」に集まった専門家たちも驚きを隠せなかった。
【平沢勝栄氏・衆院議員】
「日本人以外の国の人たちっていうのは、案外まだこういう危機感って言いますか警戒感っていうのはないですから、引っかかるんじゃないかということで、もし(こういう事を)やっているとすれば本当に驚きですし、北朝鮮っていうのはまだ懲りてないなぁという感じがしますけどね。」
【山本一太氏・衆院議員】
「かなり色んな意味で追い詰められていると言う中で、これとどれだけ同じ事をしてきたのかわからないんですけど、やはりとにかく一人でも二人でもどんなきっかけでもいいからそのシンパを増やすとか、どんな情報でもいいから何とか収集したいと、そういう何て言うんですかね、切迫した状況の一つの発露のような気もしますね。」
【鈴木琢磨氏・毎日新聞編集委員】
「日本でも北朝鮮シンパを70年代でしょうか、ずっとこう集めている時の、主に集まる人の雰囲気を今も感じてちょっと驚きましたね。」
【惠谷治氏・ジャーナリスト】
「これはもう完全に金正日の意思による犯罪であってですね、まぁ我々から見れば日本でこれほど騒がれているのに、ローザンヌあるいはベルンでこういう事をやっている、と不思議に思いますけども、私は世界各地でああいうかたちでシンパ作りでそれが何らかの事情で返さない拉致あるいは工作員化に成功して、各地に派遣しているのが北朝鮮の実態だろうと思います。」
【ナレーター】
取材班が遭遇した事態は、今なお一切変わらない金正日政権の実態を暴いたものだったのか?
【司会者・櫻井よしこさん】
実はこの番組で北朝鮮の取材を担当した複数の記者の周りにこの1〜2ヶ月の間、不可解な事態が発生し続けています。もちろん、確証はありません。けれども、もしその不可解な事態が北朝鮮の取材に関連した結果起きたものであるとしたら、事態は由々しきものであります。
ただ、このような事が起きたからといって私たちは北朝鮮の取材をやめたり、その問題から目をそらしたりすることはありません。これからも北朝鮮取材しっかりと続けてまいり、そして報告をしていきたいと思います。
終わり
*皆さん、最後まで読んでくださってありがとうございました。(*^^*)/~~
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