2006年08月22日

8/20 TBS「報道特集」(3)北朝鮮 新たな脱北ルート 最終です

*8/20TBS放送の「報道特集」を文字化しました。

*8/20 TBS「報道特集」(1)北朝鮮から逃亡 新たな脱北ルート
http://aoinomama13.seesaa.net/article/22609192.html
*8/20 TBS「報道特集」(2)売買される脱北者の子供
http://aoinomama13.seesaa.net/article/22628933.html

続き

【ナレーター】
 そしてまた脱北者の情報が入った。(中国・北朝鮮国境)人影はない。脱北者のほとんどは闇に紛れて川を渡る。ある調査によれば「中国に潜伏する脱北者は最大5万人に上る」という。取り巻く環境は厳しく、中国国営の新華社通信(13日)は「今年1月から7月までにおよそ420人の密入国者を拘束した」と報じた。

【韓国人牧師・金聖浩(キム・ソンホ)さん】
 「もしもし?モンゴルに着きましたか?ウランバートルに?」

【ナレーター】
 ついにモンゴルへの移動が始まった。

 ホテルの一室には脱北した20代の女性が現れた。(中国東北部)「1ヶ月前に中国に入ったばかり」だという。別れを告げるため、北朝鮮に住む母親に電話をする。

【脱北者】
 「もう行くことにしたの。大丈夫。心配しないで。おばさんにもよろしく伝えて。行くからね。」

【ナレーター】
 慌ただしくホテルを発つ。周囲を警戒する一行。怯える脱北女性は腕をつかんで離さない。移動は寝台バスを使う。身を隠すように布団に包まる女性。まもなく陽が暮れる・・・。

【報道写真家・山本将文さん】
 「私の右後方に脱北女性が出発してから布団をかぶり、緊張のあまりか身動きもしません。今、前の男性が起き上がりましてこちらを見ました。ちょっと危険ですのでこのへんでレポートを終わります。」

【ナレーター】
 この日、バスの乗客は少なかった。およそ10時間の行程。怪しまれることもなく、目的地にたどり着いた。(支援者が用意したアパートへ)

【支援者】
 「気分はどう?」

【脱北者】
 「びくびくしていましたが、ちょっと安心しました。」

【ナレーター】
 笑顔が戻った脱北者。心配された検問もなく、モンゴル国境の手前にある支援者が用意したアパート。ここで脱北者は国境越えのチャンスを待つことになった。(中国北部)

 確かにモンゴルには近づいた。だが、本当に国境を越えられるのだろうか?山本は脱北者が使うかもしれないバスに乗り込んだ。昼間のバスは満席だった。乗客に怪しまれる可能性も捨てきれない。その上、制服を着た男たちが乗り込んできた。

【報道写真家・山本将文さん】
 「今、検問がありました。」

【ナレーター】
 国境越えはやはり容易なことではない。さらにある問題があった。冬のモンゴルは気温が零下40℃に達することもあるのだ。

【報道写真家・山本将文さん】
 「前方はモンゴルです。中国とモンゴルの国境地帯です。今、私は中国側に立っています。あの鉄の門の向こうがもうモンゴルになります。」

【ナレーター】
 3月。凍てつく大地に鉄条網が延びる。見渡す限り、一軒の民家もない。政府機関や外国の大使館が集まる首都ウランバートルまではおよそ1000キロの道のり。東京―鹿児島間に匹敵するその距離を徒歩で移動できるのだろうか?監視の目も厳しい。撮影中、ひと時も離れることなく中国の兵士が見つめていた。

 モンゴル側の国境付近では脱北者の悲惨な末路が目撃されていた。首都ウランバートルに住むムンフバトさんは、雪が降る国境付近でオオカミ狩りを行っていた。そこで「凍える脱北者に遭遇した」と話す。

【ムンフバトさん】
 「二人の脱北者がいた。一人は凍死していた。生き残った脱北者は死んだ仲間の服を着て、寒さに震えていた。」

【ナレーター】
 数々の困難を乗り越え、モンゴルにたどり着いた脱北者もいる。'98年に脱北した父と娘はわずか2ヶ月前にモンゴル入国を果たした。8年間の中国潜伏中に母は行方不明となった。

 中国の農場で父は給料もなく働かされた。娘は中国人と偽って学校に通っていた。だが「北朝鮮から来た」とわかると、中国人から蔑まれ、10代になってまもなく乱暴された。

【脱北者・娘(14)】
 「中学1年の時に、2年生の男の子たちが私を北朝鮮の人間だと知って、私を強姦しました。全部で4回強姦されました。学校で物がなくなると『お前がやった』と、教室が汚いと『お前が悪い』と。本当に生きていくのも大変で、北朝鮮から来て・・・、言葉にできないほど心が痛いのに・・・。私はこの世に生きていたくありませんでした・・・。」(ずっと泣いていました)

【ナレーター】
 父と娘はアメリカ行きを希望している。そしていつの日か生き別れた母を捜し出し、3人で暮らす日を夢見ている・・・。

【脱北者・父(38)】
 「将来は人権の活動をしたいです。いつか中国にいる北朝鮮の人を救い出したい。彼らの境遇は・・・、あまりにも厳しい。」

【脱北者・娘(14)】
 「いつの日かお母さんを捜し出して、一緒に暮らしたい・・・。」

【ナレーター】
 モンゴルの草原にレンガ造りの建物が姿を現した。金さんが1年前から準備してきた受け入れ施設。200人以上が暮らせるという。施設の名はモンゴル語で「ソロング」。“虹”と名づけた。

【韓国人牧師・金聖浩(キム・ソンホ)さん】
 「私は未練が残らないように生きたいです。すべてを生きがいだと思っているし、喜びを感じています。」

【ナレーター】
 完成まであとわずか。まもなく願いがかなう・・・。

悲惨な脱北者の現状 届かぬ支援

【司会者・田丸美寿々さん】
 VTRの最後にも出てきましたけれども、韓国人牧師の金聖浩(キム・ソンホ)さんが今モンゴルに建設しています受け入れ施設、まもなく完成のようです。しかし、民間の力でこうした施設を造ったり運営したりするのはやはり限界があるようでして、すでに金さんの資金は底をついていまして、今後の活動は困難な状況になってきているそうです。

 さらに、モンゴルは北朝鮮と外交があるため、公に脱北者の受け入れ施設として今後この施設を運用していくのは外交上難しく、金牧師の施設はまずはですね、モンゴルの生活困窮者を受け入れ、その後に脱北者を受け入れるという、変則的な運営を強いられることになりそうです。

 今、中国国内には5万人を越える北朝鮮からの脱北者がいます。ご覧いただいたように彼らは息を潜めて生活し、病気になっても医者にかかれず、出産しても子供は無国籍になってしまうという、厳しい環境にいます。

 今回取材した報道写真家の山本将文さんは、「脱北者のこうした悲惨な状況を生んでいるのは、もちろん第一には北朝鮮の体制にあるけれども、一方では中国が一律に脱北者を強制送還しているのも人道上大問題である」と。「中国がもっと脱北者の方や支援に力を入れなければ、この問題はさらに深刻になっていくだろう」と話しています。

 報道特集、脱北者の実態についてお伝え致しました。

終わり

*皆さん、最後まで読んでくださってありがとうございました。(*^^*)/~~
posted by あおいのママ at 08:26| 千葉 晴れ | TrackBack(0) | 報道番組テキスト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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