
*あおいのママとパパは8月17日(日)に茨城県水戸市で開催された「第10回茨城県民大集会」(主催:救う会いばらき、茨城県地方議員連絡会他)にボランティア参加をしました。当日、会場の水戸市民会館では約700人参加の大盛会となりました。会の撮影ビデオより登壇されました皆さんのお話の要旨レポートをご紹介しております。滋さんの講演は約14分間です。聞き取りに間違いのある可能性もあります。どうぞご了承ください。会場の写真はすべてあおいのパパの撮影です。(主催者よりレポートの掲載許可をいただいております)
【拉致被害者 横田めぐみさんの父・滋さん】
水戸の皆さま、今日はお休みの日にも関わらず大勢来てくださいまして、皆さま方が如何にこの問題に関心が深いかということを肌に感じてありがたく思っております。
皆さま方が映画「めぐみ ―引き裂かれた家族の30年―」というのをご覧になったかと思いますが、あれを見てみますと、例えば署名活動をやってもほとんどの人はもう素通りです。中には持っているカバンをたたき落とそうとする人なんかもいました。
それからめぐみのことが明らかになって、ちょっと世論が盛り上がった時代でも、例えば外務省のアジア局長が「たった10人くらいの拉致のことで騒いで日朝国交正常化交渉が進展しなければ国益に反する」なんていう発言をして顰蹙を買いました。それは日本国民の中からいえば「たった10人」ということになるかもしれませんけど、よく石原都知事は「アメリカだったら一人の人が拉致されたら戦争をしてでも取り返す」っていうことをおっしゃいます。「10人の人を救うよりも国交正常化を優先する」ということがずっと続いたわけです。
それが安倍内閣の頃からは政府に拉致対策本部を作って、その事務局の方に情報収集とか色んな下部組織を作ったり、それから拉致の担当大臣を最初は塩崎官房長官が兼任されたわけですが、しかしその後町村官房長官、それから今は拉致担当大臣として中山前首相補佐官が任命されると、昔だったら考えられないほどに政府が力を入れるようになったのはやはり皆さま方のこういった支援と言いますか世論の力のおかげだと感謝しております。
拉致問題もちょっとしばらくの間まったくテレビや新聞に報道されることがありませんでした。例えば昨年ですと1年間に2回だけ日朝の接触がありました。しかし北朝鮮側は「もう拉致問題は生きている人はすべて帰した。後の人は死亡または未入境」と「もう拉致問題は解決済みだ」ということをずっと言い続けておりました。これは小泉総理が二度目の平成16年5月に訪朝した際、蓮池さん・地村さんの子どもを連れて帰ったわけなんですが、その時に北朝鮮側は今と同じように「拉致問題はもう解決済みだ」と言ったわけですが、小泉総理は「それでは日本国民が納得しないから再調査を」ということで約束を取り付けました。
しかしこの時は期限も何もつけなかったので、8月頃になって第1回の日朝実務者協議で調査委員会を作ったということが分かり、それから2回目の9月の実務者協議で、蓮池さんや地村さんは子どもさんが帰ったので帰国した時とちょっと発言を変えて「めぐみさんは93年3月死亡」と言っていたのを「いや、94年まで一緒にいた」と話したもんですから、北朝鮮側は「勘違いだった」ということで「94年4月死亡」っていう訂正したぐらいで、それ以上の情報は入っていません。
そして第3回目の実務者協議が11月15日、ちょうどめぐみがいなくなった時の日にあたりますけど、北朝鮮側はめぐみの夫という人が遺骨を持ってきたわけです。この時は今は公開されていますけど、ヘギョンさんの1歳の時の誕生日の写真や結婚直後のめぐみが長いスカートをはいて凱旋門みたいな所に立ってる写真を持って来たらしいんですが、しかし夫という人はサングラスをかけていたということ、部屋が暗いので本人かどうかは分からないけどおそらく本人だろう、という人から遺骨を受け取ってきたわけです。
それで夫が「規則に反して遺体を病院の共同墓地から掘り返して持って帰った。それを火葬にして大事に事務所に保管していた。本当は自分が直接両親に返したいんだけど・・」しかし(当時のアジア大洋州局長)薮中さんが「いや、私は両親から委任を受けています」と言ったので受け取って帰って来たわけなんです。
その時に一番心配したのは、警察庁の方が「非常に細かく砕いている」だとか「色が白い」っていうことを検分しておりますので、これはおそらく誰の骨か分からないように砕いて、そしてかつ高温で焼いてDNA鑑定ができないようにしたわけなんですが、しかし日本の帝京大学の技術の優秀さでそれはめぐみの骨のDNAは全然出てこないで、それ以外の2人のDNAが出てきて「別人の骨」と判明したわけなんです。
「再調査」って言うとどうしてもそんなようなイメージが強かったんです。それでずっと昨年は交渉がなかったんですけど今年の6月に非公式の会合があって、そして「再調査をする」と合意したわけなんです。「いつから」とか「どんな方法で」とかは決まらなかったんですけど「再調査をする」ということであったわけです。そして今月の8月11日と12日に瀋陽でそれが開かれたんです。
6月に再調査が決まった時に家族会にも説明がありましたが、一部の家族からは「再調査をすると自分のきょうだいが殺されてしまうから止めてほしい」というような話が出たんですけど、しかし斎木さんは「再調査をしなくていいんですか?再調査をしなかったら要するに解決しないんですよ」というお話をされたわけなんですけど、それで中山恭子さんが「再調査って言うとどうしてもイメージが家族にとっては悪いから、何か別の言葉はないだろうか?」っておっしゃっていましたが、今回政府の説明の時には「拉致問題の調査のやり直し」という言葉を使って、そういうところも少し家族に対して配慮したのかもしれませんけど、そういうかたちをしております。
そしてこの時は具体的なことが決まりまして、第1は“目的として生存者を発見して帰国させるための調査をする”ということ、それから2点目の“どんな人を対象とするか?”というのは『認定者とその他の行方不明者等』と書いてあるわけですけど「“等”というのは何か?」と聞きましたら、その他行方不明者っていうのは特定失踪者の方を指すんだそうですが、それ以外にも「曽我ひとみさんのように届け出もしてないような日本人がいるはずだから、そんな人も含めてすべての被害者を対象とする」ということでした。
3番目には“誰がやるのか?”。前はよく「日米の合同調査団を作ろう」という話もあったんですが、今回はこれははっきり『権限を与えられた北朝鮮の調査委員会によって行う』ということで、そして『できる限り秋までに終了する』ということなんですけど、これは「いつまでも先送りしないように、そこで歯止めをかけるために秋までに、という文言が入った」ということでした。
そして『分かったところから日本に随時連絡をして、日本がそれを検証できるようなかたちにする』ということ、それと北朝鮮側の調査委員会を作ってある程度動き出したら、まだ結果が出る前ですけど、日本が3つの制裁の解除を挙げていますが“人の往来と航空機のチャーター便”、要するに日本に入ることを許可するようなかたちになるわけですが、そのタイミングについてはまた改めて話し合うということで、若干日本側の方がそこの点だけとってみれば譲歩したようにも見えますけど、斎木さんは「全体から見れば日本の主張の方が多く通った」と質問に対する答えるようなかたちで表明されました。
それで早紀江が「6月にするって言って8月まで何をしていたのか?」と斎木さんに質問したら「それは向こうのことだからよく分からないが、その間にはサミット・米朝の協議・6者協議があり、そしてアメリカがテロ支援国家のリストから北朝鮮を外すことを議会に通告したこともあったので、その動きを見てたんじゃないか、そしてやっぱり交渉に応じた方が有利になるからやってきたんじゃないか」という見解を示されました。
これに対して色んな批判もあるんですけど、しかし拉致問題っていうのは個人の力で解決できるような問題ではなくて政府にお願いするしかないわけです。何か「だから対話みたいなものがあれば」とか「こういう方法の方がもっといい」っていうことがあれば否定もできますけど、やはり政府にお願いしなければこれはもう解決できない問題です。
それから今日の会で一番始めに司会の方が調査会の荒木さんに「国交正常化をしてそれから拉致の人を捜せるかどうか?」についての意見を求められましたが、私も2年位前だったですか、イギリスは北朝鮮と国交があり平壌に大使館がありますが、その大使が日本に来られたので拉致議連の方が昼食会を開いて、その席に招かれましたので「大使の場合は北朝鮮の中を自由に歩けるんですか?」という質問をしたら「いや、平壌から半径35キロの所は歩けるがそれ以上の所は許可がいる。大きな所であれば大体一週間くらいで許可が出るが小さい所は許可が出ない」ということです。
イギリスの大使でさえそれ位のことですから「国交正常化をしてそれから捜す」なんて言ったって、もう絶対無理な話なんです。そして一週間もし時間があれば「ここにいるかもしれない」と思って申請しても、結局移動させるということは簡単ですから、それは「国交正常化を優先してある程度の支援金みたいなものを北朝鮮はもらえば絶対そこで被害者を返してくる」ということは絶対ありません。

ですからやはり北朝鮮のこれまでのやり方からいけばあまり期待ができないんですけど、しかしそれに期待しなければ我々としてはどうしようもないわけなんです。それで北朝鮮は当初から「もう拉致はない」ということをずーっと言い続けておりましたが、それが小泉総理の訪朝の時に一挙に拉致を認めて謝罪したわけで、ですから金正日の決断によっては今までと違って何らかの進展っていうこともあり得るかもしれませんが。
しかし一番みんなが恐れているのは、そこで先ほど荒木さんが「何かリストが出るんじゃないか?」というようなこともありましたが、それこそリストを出してきて「いや、この人たちは自由意志で来たんだけど、帰りたいから帰すんだ」みたいなことでもう拉致を終わらせてしまうんじゃないか?ということが一番懸念されるわけです。
ですからやはり日本国民がそんな時には「これではとても納得できない」というかたちで政府を後押しすればそこで終わってしまうことはないと思いますので、やはりこの問題は国民の皆さんの「同胞を救出しなければ」という強い世論がなければ全面解決というのは難しいことと思います。今日お見えくださいました方は特にそういった意識の強い方ばかりだと思いますが、いつまでもこの皆さんのお気持ちを変えることなく関心を持って見守ってくださいますようお願い致します。それが最大級の解決の力になると思いますのでよろしくお願い致します。(大拍手)
*アニメ「めぐみ」ダウンロード 政府 拉致問題対策本部
http://www.rachi.go.jp/jp/megumi/index.html
*めぐみ 13年間のアルバム(1)〜(10)
http://aoinomama13.seesaa.net/article/58354610.html
*カテゴリ「拉致被害者 横田めぐみさん」
http://akemama13.seesaa.net/category/3867078-1.html




