【読売新聞 平成20年(2008年)10月21日朝刊より】
【北朝鮮インタビュー】テロ指定解除 米国に傷 民主党副幹事長・長島昭久氏
米政府による北朝鮮のテロ支援国指定解除の決断は評価できない。寧辺(ヨンビョン)の核施設の無能力化作業中断という北朝鮮の「ゆすり」に最終的に見返りを与え、米国外交の信頼性を傷つけた。イラク、アフガニスタンに足を取られ、金融危機もあって、これ以上の火種を抱えたくないための判断とみられ、米国の一極支配構造の陰りを印象づけた。
「解除は象徴的なものに過ぎない」という見方もあるが、北朝鮮が他国や国際機関からの融資を呼び込む第一歩にしようとしているのは明らかだ。北朝鮮に融和的なクリントン政権を非難して誕生したブッシュ政権が、末期に同じことをしている。核、拉致、ミサイルの包括的解決が難しいことを浮き彫りにした。
6か国協議の参加国で北朝鮮を動かすてこを持つのは、日本だけになった。独自に北朝鮮をテロ支援国に指定するなど、簡単にこの問題は前進させられないことを行動で示し、国際社会にアピールすべきだ。
解除に反対する日本の意向が土壇場で軽く扱われ、日本外交には非常に厳しい局面になった。政府・与党には「インド洋での給油活動があるから、米国は拉致問題で日本を助けてくれる」という主張があったが、給油活動の継続がほぼ決まったところで指定が解除された。日米関係はそんな貧弱な「貸し借り関係」ではない。日本は、米国の同盟国としてどれだけ価値があるかを示さないといけない。総合的な日米関係を再構築すべき時期にきている。(聞き手 南省至)
終わり
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