*'08 6/13 テレビ朝日「報道ステーション」(1)
http://aoinomama13.seesaa.net/article/101000388.html
続き
「拉致問題は再調査へ」 その意味と北朝鮮の狙い
【司会者・古舘伊知郎さん】
「なるほど。ただそのアメリカはですね、色々後ほどまたVTRを挟んで重村さんにお話聞きたいと思っているんですけれども、アメリカはアメリカの抱えている背景がたっぷりと今現在あって、北朝鮮の背景も後ほどでもあると、そういう中でアメリカは北朝鮮に対して日本から実質支援を受けるためには、拉致問題をある程度のところやらないと話はならないよ、という事をこうアピールしていたと仮に見ると、そのあたりから北朝鮮からは何らかの話があってしかるべきじゃないかというあたりはどうなんでしょう?それが『突っ込んだ話し合い』とか『突っ込んだ話』というところにつながっていくんですよね。」
【早稲田大学・重村智計教授】
「もしそうであれば、具体的に北朝鮮はどういうのを出すんだという事、先にもらってこないといけないと。だからその出しそうな何か雰囲気、出しそうな思惑だけで引っかかるとみんな後で騙されるわけですね。」
【司会者・古舘伊知郎さん】
「あー、はあはあ。順序が違うということですね?で、その場合は荒木さんがおっしゃったニュアンスで言うと、何か内々にそれがあるんじゃないか?という事ですよね。」
【特定失踪者問題調査会・荒木和博代表】
「おそらくですね、私は北朝鮮は、もう例えば日本が軟化するんであればもう何か出しちゃっても構わないというぐらいのところまで、ある意味で言えば追い詰められているんではないだろうかなと思うんですね。で、だからもう『いつでも出すよ』と言っているけれども、日本政府の方が逆にじゃあその北朝鮮がもし出すとすればその見返りは全面的な制裁の解除とか、あるいはアメリカのテロ支援国家指定のもう黙認とか、みんなもう山ほど言っているわけでしょうから、とても怖くてそこに手がつけられないと・・。」
【早稲田大学・重村智計教授】
「だから北朝鮮側がですね、2年前の実務協議の中でいわゆる特定失踪者と言われる人を『3〜4人は出してもいい』と言ったことは事実なんです。で、ただし条件があって『これで拉致問題を全部終わりにしてくれ』ということで止まっているわけです。それ以上は日本側としては『それはダメだ』と、こう言ったのが一つとですね、もうすでにそのいわゆるよど号のハイジャック犯の引き渡しの時期と場所はすでに合意されている。例えば北京の空港に連れて来て、そこで形式上は両方話し合いをさせる、説得をさせると、形式上ですね。『引き渡して日本の飛行機に乗せて逮捕するという手際はもう決まっている』と言われていましたね。具体的に決まっているのは大体その辺だということです。」
【司会者・古舘伊知郎さん】
「そうですか。」
【早稲田大学・重村智計教授】
「ええ。」
【司会者・古舘伊知郎さん】
「鳥越さん、このあたりが非常にどう見たらいいかという点がねぇ。」
【鳥越俊太郎さん】
「そうですね。だからどうしてもやっぱり何にもないで、家族会への説明のように、官房長官の説明を僕らが聞いたって同じように再調査というだけで止まっているんだとすれば、僕は斎木さんは帰って来なかったと思うんですね。判断を仰ぎに帰って来ているわけでしょ。判断を仰ぐというからには具体的に何かの提案なり具体的なものがあった、それはまぁ人名なのか名前が出たのか『具体的にこうする』と北朝鮮が言ったのか分からないですよ、全然分からないですけど、何らかのものがないとね。
斎木さんは自分で判断できる人ですよ、あの人は。ずーっとこの拉致問題携わっているわけだから。『これだったら答えられる』と会議上で判断して答えられる。でもおそらく斎木さんでさえも会議上で即断できない何かがあったんですね。だから帰って来て報告しているわけです。それがこれから出てくるのか出てこないのか、その駆け引きになっているんでしょう。」
【司会者・古舘伊知郎さん】
「そうですか。重村さんと荒木さんがおっしゃっていることで一見差異があるんだけれども、アングルが違うだけでグーっとね、そうすると重なってくる部分があるんですが。まずここで一旦背景なんですけれども、やっぱりこれはですね、日本はともかくこれ対話すべきはアメリカと徹底的に日本は対話すべきであって、拉致問題進展のためにはという目線からですね、ちょっと北朝鮮の狙いをアメリカ経由で見てみます。」
【アナウンサー・河野明子さん】
「そうですね。今回の日朝協議、カギを握るのはアメリカだと言われています。そんなアメリカの影を感じながら行われた日朝協議で譲歩したのは日本なのか?北朝鮮なのか?北朝鮮の狙いを考えてみます。」
「提案」前に起きた異変 北朝鮮の狙いと内情
【ナレーター】
北朝鮮が突如動きを見せた裏には何があったのか?ここ数か月、国内で異変が起きていたという。
【関西大学・李英和教授】VTR
「工作機関、いくつかあるんですけどもね、それが軒並み最高幹部が動静不明になっているんです。姿が見えないだけじゃなくて音もしなければニオイもしないと。一斉にですからね。」
【ナレーター】
工作機関幹部が消えた。そこには北朝鮮のメッセージが読み取れる。対外連絡部や労働党35号室など北朝鮮の工作機関のトップ4人が行方不明になっているという。
消えた工作機関幹部
・統一戦線部 金養建(キム・ヤンゴン)部長
・対外連絡部 康周一(カン・シュイル)部長
・作戦部 呉克烈(オ・クッリョル)部長
・35号室 金鐘民(キム・ジョンミン)室長代理
【関西大学・李英和教授】VTR
「日本政府あるいは朝鮮総連を総括する部署ですね、そういった作戦部とかその他の35号室とかいった工作機関が軒並みというところに異常さがあって、テロの汚名が染みついたそういう工作機関の看板を掛け替えてしまうと。テロ色を薄める、あるいは同時にその4機関とも拉致問題に大きく関わってますから、拉致の実行犯としてのあるいは実行機関の看板をなくして・・。」
【ナレーター】
アメリカのテロ支援国家指定解除を切望する北朝鮮。3日前、ある動きを見せた。
【朝鮮中央テレビ 6月10日】VTR
「我が国の外務省は『反テロ闘争において尊厳ある国連加盟国として責任と義務を果たしていく』と表明した。」
【ナレーター】
この声明をアメリカは歓迎した。
【アメリカ・アルビズ国務副次官補】VTR
「前進するためには国の明確な方針が必要で、この声明は前向きな内容だ。」
【ナレーター】
6カ国協議での合意に基づき寧辺(ヨンビョン)の核施設を無能力化する作業が続いている。テロ支援国家指定解除へ向け米朝関係が進展する中、障害となっていたのは日本と北朝鮮の間の問題だった。
【アメリカ・ヒル国務次官補】VTR
「北朝鮮には『日本との関係改善が非常に大事だ』と伝えた。」(先月28日)
【ナレーター】
去年夏、大洪水に見舞われ、農作物が打撃を受けた北朝鮮。世界的な食糧高騰の中、最大の後ろだて中国は輸出を制限している。さらに韓国も李明博政権の誕生で、それまでの北朝鮮融和政策を転換した。
【関西大学・李英和教授】VTR
「日本との関係が悪化したままで北朝鮮経済の再建であるとか、あるいはもっと進んで改革開放を考えることすらできませんよね。それは北朝鮮政府もよく分かっていると。北朝鮮側が『拉致問題は解決済みだ』と言い続けたせいでテロ支援国家指定解除が遅れた。従来の主張は引っ込めざるを得なかったと。」
【司会者・古舘伊知郎さん】(スタジオにて)
「さあ、そこで荒木さん、最後おうかがいしたいんですが、北朝鮮が大変な食糧危機であることがうかがえる、さあ日本とどう向き合うかということが絞られてくる、そこで先ほどのお話なんですが、おそらく何人かの具体的な名前が出たはずであろうというふうにおっしゃった、ところがだったら何故ですね、これ今テレビをご覧の方々も今日何故内閣府までみんなを呼んで、そこでそういう事を説明しないの?と思われると思うんですが、そのあたりより具体的にどうでしょう?」
【特定失踪者問題調査会・荒木和博代表】
「そうですね、あの、まぁこの名前が出たのが今回の場なのか別の場で情報が入っているのか分かりませんが、やっぱり出ている事は間違いないと私は思うんですね。で、それは北朝鮮側としては、それ出すならばそれによってもう国交正常化進めるんだなと、あるいは制裁解除するんだなという事は当然向こうは突き付けているはずで、で、なおかつ今度は日本の方で見ればですね、例えば何人かが出てきた事によって、9.17の小泉第1訪朝と同じように『いたんじゃないか』と『もっといるはずだろう』というふうになって、今度は世論が逆に『北朝鮮に対してもう融和政策はまずい』と・・。」
【司会者・古舘伊知郎さん】
「そこで幕引きは許さないと?」
【特定失踪者問題調査会・荒木和博代表】
「ええ。だからそこの時に、政府が例えばもう絶対に本当にみんな取り返すという覚悟を持っていればやり抜けると思いますけれども、そこまでの覚悟がないわけですね。できるだけこう少ない人数で止めておきたいというのがやっぱりあってですね、その中で全員を返して来るというようなことしか今の時点では考えていないと思います。だからそれは結局こういうかたちで名前が出てきても、実際に名前が出てきているという話はあるわけですけど、それを今回の交渉で出てきたかどうかは別として家族にも伝えられないし、もちろんその公表もできない、ということじゃないかと私は思います。」
拉致問題・・ 交錯する思惑 米国と北朝鮮 そして日本
【司会者・古舘伊知郎さん】
「そうですか。重村さん、今のお話を聞くとまたそこで改めてですね、普通考えられるのは何で日本政府はじゃあそういう考え方をしなきゃいけないんだ?ということになるんですが、相手が北朝鮮という特殊な国であるというとこが関わってきますかねぇ?」
【早稲田大学・重村智計教授】
「そうですねぇ、北朝鮮との交渉の中で自分の取るものをどうやって取っていくか?というその外交力、いわゆる交渉力の問題になるんですけれども、そこをまぁもう少し上手くやる手があるんだろうと思いますね。」
【司会者・古舘伊知郎さん】
「そこでなんですけれどもね、日本はとにかくハードルをこれ低くして一部経済制裁を解除とかやってもですね、それは北朝鮮の思うつぼという考え方があるんだけども。そうした時にはですね、やっぱりアメリカを動かす、そのあたりでアメリカはもちろん日本と温度差はあります。とにかくブッシュ政権の中でですね、北朝鮮を何とか核、拡散と核の無能力化をやるんです、日本は拉致問題の解決なくして国交正常化なんかないと言っている、そのあたりで同盟国として日本はアメリカに対してもうちょっと杭を打って、アメリカ経由で北朝鮮をもっともっと説得させてっていうようなことできないんでしょうかねぇ?」
【早稲田大学・重村智計教授】
「これあの、これまでの政権、安倍政権始めアメリカ側に『アメリカも拉致問題解決するまで国交正常化しないと言ってほしい』ということは何回か言っているわけですけど、なかなかアメリカはそこまで踏み切らない。ただしそのブッシュ大統領は日本の拉致問題非常に関心があって、それからテロ支援国家を簡単に解除した場合には日米同盟にひびが入ることをよく理解しているものですから、相当押さえてきている。
で、一時こうかなり柔軟化したこともあるんですが、今やはり相当厳しい状況になる。厳しい状況になってきているから北朝鮮側が日朝の実務協議せざるを得なくなってきた、下りてきたというのは事実なんですね。で、北朝鮮側は確かにテロ支援国家指定解除が目的なんで、だけど一応下りて来たというところを捕まえて日本側の要求を突き付けていく、日本側の要求をのみ込ませていくというのが残りの交渉の駆け引きになる。」
【司会者・古舘伊知郎さん】
「やり方であるということですか?」
【早稲田大学・重村智計教授】
「ええ。」
【司会者・古舘伊知郎さん】
「鳥越さんね、まぁ総じて言えることはですね、確かにそういう面で今、先生おっしゃるように非常に難しいけれども、そもそもですね、この主権者がいきなり持って行かれたわけですよねぇ?それでこれはないだろうというところ、ここを今一度原点に立ち戻ってですね、家族会の方々の苦しみ含めて、何とか上手く交渉やってもらいたいと思うしかないんですけどもね。」
【鳥越俊太郎さん】
「そうですね。本当に原点にもう一度今だからこそ立ち返ってね、拉致問題っていうのは本当に人権に反した行為であるということを我々国民も含めて認識をしなければならないと思うんですけど。まぁそこで具体的な話ってやっぱりアメリカが『6者協議を進めるためには日本と北朝鮮の間がちゃんと上手くいかないと進められないよ』ということをキチッと言ってもらわないといけないわけですね。
ヒル国務次官補はそれはまぁ一応言っていますね。で、かなりプレッシャーがかかってますので、北朝鮮もこのまま放っておいたんじゃテロ支援国家の指定解除というのはなかなか難しいということで、取りあえず日本との交渉に姿勢を少し変えたというのが今現状だろうと思うんですね。ただ、どこまで本気でやる気があるのかどうか?っていうのは金正日の胸一つにかかっているわけですね。」
【司会者・古舘伊知郎さん】
「北朝鮮、確かに苦しいわけですからね。今まで以上にね。ここは今までの流れからすると、決して向こうのペースにはまらないかたちで先端を捉えていくっていう重村先生がおっしゃった部分、これはどういう今背景があるにせよ必要なことだとは思いますね。」
【早稲田大学・重村智計教授】
「そう、困っているのは北朝鮮なんだということを十分に計算することです。困っているから日本から資金も取らなければいけない。ただしテロ支援国家指定が解除されると北朝鮮には相当なお金がいく予定になっている。その段階でもう日本とはいいというふうにされると困るんで、そうではなくてその中で日本側がもっと突き付けていく、拉致問題解決に向けた要求を突き付けていくために縛りつけるという外交の駆け引きをしないといけないということですね。」
【司会者・古舘伊知郎さん】
「そうですね。またそこを後押しするためには荒木さん、やはりですね、長年活動をされてきてですね、やっぱりその活動や拉致家族会の苦しみ悲しみを何とか和らげるためにバックアップするためには、もちろんメディアは当たり前のことですけども、国民の皆さんが自分の身に起きて何十年も歳月が経ったらどうだろう?ということをもう一回考えないといけないんでしょうね。」
【特定失踪者問題調査会・荒木和博代表】
「はい。まさにおっしゃる通りで、この問題っていうのは誰に起きてもおかしくないことですから、自分自身の安全とか自分の家族の安全を守るという思いでですね、国民の皆さんの声が高まってくれれば、この11年間もまさにそれで政府はやっと動いてきたので、これからもまさにそこにかかっていると思います。」
【司会者・古舘伊知郎さん】
「そうですね。拉致が頻繁に起きた1970年代から80年代にかけて、どんなふうな日本は国の模様だったろうっていうことをもう一回考えて、やっぱりその時いきなり事が起きていたんだというところから始めなきゃいけないのかもしれません。さあ、どういうふうに動いていくか?お二方、取りあえず今日のところはありがとうございました。」
*特定失踪者問題調査会
http://www.chosa-kai.jp/
終わり
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